介護業界の雇用状況を知る厚労省のデータ

これから介護職を目指す人にとって、介護業界の雇用状況は気になるところでしょう。
求人倍率や離職率のデータをチェックすることで、人材需要や展望をある程度読み取ることができます。

2022年1月に厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況」における『介護サービスの職業』データに基づき、今年の介護業界の雇用状況を見ていきましょう。

有効求人倍率とは?

有効求人倍率とは求職者1人に対して求人が何件あるかを示す数値であり、景気や就職状況の難易度を示す指標として用いられます。
例えば、求職者100人に対して求人件数が500件あった場合、有効求人倍率は5.0倍です。
求職者は単純計算で1人あたり5件の求人案件があります。
一方で、求職者100人に対して求人件数が50件しかない場合、有効求人倍率は0.5倍です。
5倍の場合は、1人につき5件の求人先がありますが、0.5倍になれば2人で1件の求人を競争することとなります。
介護業界に限らず、就職や転職活動でよく目にするデータのひとつだと思います。

国内全体の2022年1月の有効求人倍率は1.20倍と、やや売り手市場の結果となりました。
慢性的に人材不足が続いているといわれる介護業界の数値はどうでしょうか。
2022年1月分「職業別一般職業紹介状況」〈介護サービス職業〉のデータ結果によると、介護サービス職業の有効求人倍率は3.68倍です。
これは、有効求人数209,259件に対する有効求職数56,835人の割合を算出した数値で、介護関連の求職者1人あたり約3.7件の求人件数が集まっていることになります。
つまり、介護職を希望する人材は引く手数多の貴重な存在で、就職や転職活動を有利に進められると考えられます。

介護業界は離職率も高い?!

介護職の離職率はどのようになっているでしょうか。

公益財団法人 介護労働安定センター発表の「事業所における介護労働実態調査」最新調査(2020年)によると、離職率は14.9%でした。
最も離職率が高い業界は「宿泊業、飲食サービス業」の26.9%、「生活関連サービス業、娯楽業」の23.9%と続き、介護業界の「医療、福祉」は5番目です。
つまり、介護業界は特別高いわけではありません。

また、離職率は、2007年の21.6%をピークに、年々低下傾向にあり、ここ10年ほどは約15%前後で推移しています。

介護職の待遇や賃金の改善が国策として進んでいる結果、介護職への魅力も年々高まっている状況です。

不景気にも強い介護業界の雇用状況

介護業界の有効求人倍率と離職率を見ると、介護職は求人件数が多く、就職のしやすい状況が続いています。
特に不況の煽りを受けやすいサービス業などに比べると、今後も安定した求人需要が見込めます。

また、介護職員が定着しやすいよう、国のバックアップがあることは業界的にも心強いでしょう。
今後も職場環境や待遇改善が進められていくはずなので、介護職の明るい未来に期待できます。

就職や転職活動で不安だったり、長く働けるか心配だったりする人も、ぜひ今回のデータを参考に介護職にチャレンジしてみてください。


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