新型コロナウイルスの感染拡大と介護業界

2020年から世界的に大流行した新型コロナウイルスは、人々の働き方や暮らしに大きな変化をもたらしました。
3年が経った現在でも、多くの業界でその影響が続いています。
特に人と人とが密接に触れ合う介護の現場では、働き方や雇用状況に変化があったケースも少なくありません。

介護業界の働き方や介護職としての需要はどのように変化していったのでしょうか。
2020年からのコロナによる影響を振り返っていきます。

雇用状況について

緊急事態宣言が発出され、感染拡大を防止するために経済活動が大幅に抑制された2020年4月、5月頃を中心に雇用に大きな変化が生じていきました。
飲食業や宿泊業、サービス業などコロナの影響をダイレクトに受けた業種では、正社員はもちろんのことパートで働いていた人も働く場所を失ったケースが多く見られます。
2020年の7月以降からピークを迎え、月間の失業者数が前年対比40~50万人程増加しています。

2022年4月には失業率が2.5%と、まん延防止等重点措置が全国的に解除されて以来、コロナ禍前の水準に近づきつつあるようです。
しかし2022年現在においても雇用の完全復活とは断言できず、日本で1年以上失業状態にある人は2021年10~12月期で流行前に比べ31%増の64万人となっています。

そんな中、介護業界ではここ数年、有効求人倍率が3倍を切ったことが無い売り手市場です。
2020年も求人数はほぼ横ばいを維持しており、コロナがピークを迎えつつあった4~5月においては4倍以上となりました。
コロナ禍にあっても介護業界ではまだまだ人手が足りない状況にあるのです。

クリエでも転職相談や資格取得の受講者数がここ数年で増えてきており、景気に左右されづらい安定した職業として認知されてきている印象があります。

介護職員の待遇改善

コロナ禍真っ只中の2021年12月、厚生労働省は介護職員の待遇改善を目指す施策を決定しました。
2022年2月から開始された賃金アップのしくみです。

介護職員1人あたり月額約9000円の手当支給です。
2022年2月から9月までの8ヶ月間は国費による交付金によって支給されます。
さらに、10月以降は介護報酬に組み込まれる予定で、将来的な待遇改善につなげる見込みです。

介護業界では、介護職員処遇改善加算を取得している事業所を中心に、少しずつ介護職の収入アップを図ってきました。
厚生労働省が発表した「介護従事者処遇状況等調査結果」のデータによると、介護職員の平均給与額(月給・常勤の者)は2016年9月で28万9,780円だった金額が、2020年2月には31万5,850円に。
およそ3万円収入がアップしています。

しかし、一方で、公益財団法人 介護労働安定センターの「令和2年度 介護労働実態調査(特別調査)中間報告」によると、介護職の6割が「心理的な負担」による不満を感じている調査結果もあります。
感染症対策で神経を使うこと、高齢者と毎日関わるためコロナ対策としてどこにも出かけられず息抜きできないことが心理的な負担に繋がっているのではないかと考えられます。

このように、介護現場で働く介護職の待遇改善のため、国や業界が取り組みを続けている状況です。
コロナ禍の影響はまだ不透明ですが、介護人材のニーズが高いことは変わらないでしょう。


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