介護士の年収の変化は?
「2020年度就業意識実態調査」とは、介護職の労働組合であるUAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)が毎年実施しているアンケート調査です。
介護職員の待遇状況が見えるもので、2019年の結果が発表されました。
データによると、2019年の介護職の平均年収は359万8,000円。
この調査の「平均年収」とは、基本給に残業代や夜勤手当を含む各種手当、そしてボーナスを合計したものです。
職種別に見ると、入所系介護員の平均年収は354万6,000円、訪問系介護員では311万4,000円、ケアマネジャーでは372万6,000円でした。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、2019年の全産業の平均年収は463万4,900円でした。
比較すると介護職員は103万6,900円低い水準であり、現状では格差に開きがあります。
しかし、2009年の第1回調査で明らかになった格差166万3,500円に比べると、10年で60万円以上も縮小されているため、悲観するべき結果では無いでしょう。
また、平均月収の変化については2019年6月の228,066円に対し、2020年6月は235,401円となり、7,335円増で増減率3.2ポイントアップでした。
介護士の有給休暇取得状況は?
年次有給休暇の取得状況についての調査は
「いつでも取得できる」(27.7%)
「ある程度取得できる」(41.7%)
「取得できても希望通りではない」(6.8%)
という結果になりました。
つまり、全体のおよそ8割の介護職員は何らかのかたちで有給休暇が取れる状況にあります。
また、年間の有給休暇日数は「10日以上」が58.7%と約6割。
実際に取得した日数は「10日以上」(24.9%)、「10日未満」(47.3%)で、7割の介護職員がある程度有給を取得できている実態も明らかになりました。
介護の職場は人材不足で休めないイメージをお持ちだった方も多いかもしれません。
まだまだ改善するべき状況であることに変わりはないですが、介護施設側も働きやすい環境を作るために努力しています。
休暇制度の充実化には今後も期待が持てるところです。
介護業界の待遇改善は着実に進んでいる
全産業に比べると、介護職は年収や待遇面でまだまだ改善しなければならない部分はあります。
しかし、新型コロナでますます高齢者の介護人材が必要になっているため、国も介護報酬で介護職員の賃金アップを図る対策を続けており、少しずつ効果が出ている最中です。
超高齢化社会の日本で介護職の存在はますます大切になってきます。
国や業界レベルで賃金や待遇が良くなるよう努力している今、介護士はやりがいのある職業だといえるでしょう。
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