実務者研修は、キャリアアップにおすすめの資格
実務者研修は、かつて「ホームヘルパー1級」と呼ばれた資格で、介護福祉士の技術と知見を向上させるため、受験資格に義務付けられるようになりました。
介護福祉士は国家資格のため、実務経験3年以上(従事日数540日以上)という現場の経験だけでなく、6ヶ月(保有資格によって研修時間は異なる)の実務者研修の受講と修了という形で、介護のプロとして知識と技術をもつことが求められます。
実務者研修を修了すると介護福祉士の受験資格に該当するとされ、実技試験が免除になるため、実務者研修の取得は、介護の実力としては国家資格に相当するとみなされたことになります。
また、この実務者研修では、介護の現場で要望の多い「たん吸引」や「経管栄養」といった医療的ケアの基本を学ぶことができます。
実務者研修は、キャリアアップして介護の現場で活躍するためにおすすめの資格といえます。
実務者研修を取得するとどんな仕事ができるの?
では、実際に実務者研修を修了し、資格を取得すると仕事上でどのようなメリットがあるのでしょうか。
介護の実務的な知識をもつ人材として周囲からの信頼も上がり、就職に有利になったり、資格手当などがついて給料アップに繋がったりする可能性があります。
また、実務者研修を修了すると、訪問介護事業所や住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅で配属することが必須とされているサービス提供責任者になることができ、就職先が広がります。サービス提供責任者は、ケアマネージャーが作成した介護プランをもとに、具体的な訪問介護サービスの計画を立てたり、介護職員への指示や技術指導、実際に介護業務を行ったりします。
また、原則としては医師や看護師以外に認められない「たん吸引」や「経管栄養」の基礎知識をもっているため、一定の研修を修了した介護職員であれば、医師や看護師との連携により医療的ケアを行うことができます。
そして、さらなるキャリアアップとして、介護福祉士の国家試験を受けたり、ケアマネージャーの資格取得を目指したりする道もひらけてきます。
実務者研修を取得したらどんな職場で働ける?
まずは、サービス提供責任者が活躍する訪問介護事業所や住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅があります。現場経験だけでなく、広く深い知識や技能をもった介護のプロとして実力を発揮することができます。
また、介護福祉士の受験資格をもつレベルの資格ですから、デイサービスなどの通所施設や、老人ホームなどの入所施設でも、活躍が期待されます。
さらに、「たん吸引」や「経管栄養」といった医療ケアの知識もあるので、要介護度の高い施設のニーズも大きくなりますし、認知症の知識も豊富なので、グループホームでもひっぱりだこになるでしょう。
このように、これからニーズがますます増える介護の世界のプロとして、実務者研修の取得はとてもメリットの多いものといえるのです。