介護の資格と仕事の種類【2025年最新版】
介護業界でキャリアを築きたいと考えているあなた。
実は、介護の資格にはいくつかの種類があり、それぞれで担える役割や給与水準、キャリアの広がりが大きく異なります。
現場で働く介護職員が同じように見えても、持っている資格によって業務範囲や責任、待遇に差があるのです。
この記事では、介護職員初任者研修から介護福祉士、ケアマネジャーまで、主要な介護資格の違いと具体的な仕事内容を解説します。
介護資格のキャリアパスを理解する
介護業界には明確なキャリアパスがあります。
2013年4月の制度改正により、介護職員が段階的にスキルアップできる仕組みが整備されました。
基本的なキャリアの流れは以下の通りです。
無資格・未経験 → 介護職員初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士 → ケアマネジャー(介護支援専門員)
それぞれの段階で学ぶ内容が深まり、担える責任も大きくなっていきます。
ただし、すべての人が同じルートを辿る必要はありません。
訪問介護員として長く働く方もいれば、施設の管理職を目指す方、ケアマネジャーとして利用者様のケアプラン作成に専念する方もいます。
自分に合ったキャリアを選ぶために、まずは各資格の特徴を正確に理解することが大切です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識と技術を学ぶための入門資格です。
2013年3月までは「ホームヘルパー2級」という名称でしたが、制度改正により現在の名称に変更されました。
研修時間は130時間以上と定められており、講義と演習を組み合わせたカリキュラムで構成されています。
研修で学ぶ内容
初任者研修では、以下のような実践的な内容を学びます。
食事介助、入浴介助、排泄介助などの身体介護の基本技術に加え、調理や掃除、買い物代行といった生活援助の方法も習得します。
さらに、認知症の基礎知識や、利用者様とのコミュニケーション技術、介護における安全管理なども学習内容に含まれます。
座学だけでなく、実際に介護技術を実践する演習時間が設けられているため、現場ですぐに活かせるスキルが身につきます。
初任者研修修了後にできる仕事
初任者研修を修了すると、訪問介護員(ホームヘルパー)として働けるようになります。
訪問介護では、利用者様のご自宅を訪問して、食事や入浴、排泄などの身体介護や、掃除や洗濯などの生活援助を提供します。
訪問介護事業所で働くには、初任者研修以上の資格が必須です。
また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設でも、初任者研修修了者は介護職員として勤務できます。
ただし、たん吸引や経管栄養などの医療的ケアを行うには、別途「喀痰吸引等研修」の修了が必要になります。
クリエ福祉アカデミーの初任者研修
クリエ福祉アカデミーでは、働きながらでも受講しやすいカリキュラムを提供しています。
通学日数は15日間で、自宅学習(通信課題4回)と組み合わせることで、最短約1ヶ月で修了できます。
調布校では月・木・金の週3日コース、国分寺校では火・水・金の週3日コースを開講しており、土曜コース、日曜コースも選択可能です。
2025年3月末時点で、クリエ福祉アカデミーの初任者研修修了者数は3,391名に達しています。
経験豊富なベテラン講師が丁寧に指導するため、介護未経験の方でも安心して受講できます。
詳細はクリエ福祉アカデミー初任者研修ページをご確認ください。
実務者研修
実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格として位置づけられています。
最大の特徴は、介護福祉士国家試験の受験資格になっている点です。
平成28年度(第29回)試験から、実務経験ルートで介護福祉士を受験するには、3年以上の実務経験に加えて実務者研修の修了が必須となりました。
研修の内容とカリキュラム
実務者研修は、20科目約450時間のカリキュラムで構成されています。
無資格の方が受講する場合、19科目の自宅学習と7日間の通学講習(介護過程Ⅲ5回、医療的ケア2回)が必要です。
ただし、保有資格によって免除される科目があります。
初任者研修を修了している方は、自宅学習が10科目に減り、効率的に学習を進められます。
実務者研修を受講するメリットは、主に2点です。
- 訪問介護事業所の「サービス提供責任者」になれる
- 介護福祉士国家試験の受験資格が得られる
介護職としてステップアップしたい方にとって、実務者研修は避けて通れない資格といえます。
実務者研修修了後の広がる可能性
実務者研修を修了すると、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。
ただし、受験には実務経験3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)も必要です。
また、訪問介護事業所に設置が義務付けられている「サービス提供責任者」になることができます。
サービス提供責任者は、訪問介護計画書の作成やヘルパーの指導・育成を担当する重要な役割です。
資格手当が支給される事業所も多く、給与アップが期待できます。
クリエ福祉アカデミーの実務者研修
クリエ福祉アカデミーでは、保有資格に応じた柔軟なカリキュラムを用意しています。
初任者研修修了者の場合、自宅学習10科目と通学7日間(介護過程Ⅲ5回、医療的ケア2回)で修了できます。
無資格の方には、初任者研修と実務者研修をセットで受講できる「ダブル受講」制度もあります。
2025年3月末時点で、実務者研修修了者数は2,490名に達しており、多くの修了生が介護福祉士国家試験に挑戦しています。
詳細はクリエ福祉アカデミー実務者研修ページをご確認ください。
介護福祉士
介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。
介護に関する専門的な知識と技術を持つプロフェッショナルとして、現場で中核的な役割を担います。
ただし、介護福祉士は「名称独占」の資格です。
医師や弁護士のような「業務独占」資格とは異なり、介護福祉士の資格がなくても介護業務自体は行えます。
しかし、「介護福祉士」という名称を使えるのは、国家資格を持つ者だけです。
介護福祉士になるためのルート
介護福祉士国家試験を受験するルートは、主に以下の3つです。
実務経験ルート
実務経験3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)と実務者研修の修了が必要です。
このルートが最も一般的で、第36回試験(2024年度)では受験者の約8割がこのルートでした。
養成施設ルート
介護福祉士養成施設で2年以上学び、所定のカリキュラムを修了すると受験資格が得られます。
福祉系高校ルート
福祉系高校で指定の科目を修了すると受験資格が得られます。
介護福祉士の合格率
2024年1月に実施された第36回介護福祉士国家試験(2023年度)の合格率は82.8%でした。
2025年1月に実施された第37回介護福祉士国家試験(2024年度)の合格率は78.3%でした。
他の国家資格と比べると比較的高い合格率ですが、これは受験者が実務経験3年以上の実践者であることが大きな理由です。
試験は筆記試験のみで実施されます。
介護福祉士の仕事内容と役割
介護福祉士の日常業務は、他の介護職員と基本的に変わりません。
食事介助、入浴介助、排泄介助などの身体介護や、利用者様の生活全般をサポートします。
ただし、介護福祉士には後輩職員への指導や、利用者様のご家族への相談対応など、より高度な役割が求められます。
専門的な知識と経験を活かして、チームリーダーや主任といった役職に就くことも多く、施設の中核を担う存在です。
介護福祉士を取得すると、資格手当が支給される施設が多く、給与アップが期待できます。
厚生労働省の調査によると、介護職員の平均給与額(月給)は338,200円です(各種手当を含む、2024年9月時点)。
資格の有無や経験年数によって給与は大きく異なりますが、介護福祉士資格を持つことでキャリアアップと待遇改善の道が開けます。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(正式名称:介護支援専門員)は、利用者様一人ひとりに最適なケアプランを作成する専門職です。
国家資格ではありませんが、公的資格として介護保険制度において重要な役割を担っています。
利用者様やご家族の希望を聞き取り、心身の状態を適切に評価したうえで、必要な介護サービスを組み合わせたケアプランを作成します。
ケアマネジャーの受験資格
ケアマネジャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。
2025年10月時点での受験資格は、以下の通りです。
介護福祉士、社会福祉士、看護師、理学療法士など、保健・医療・福祉に関する法定資格を取得後、その資格に基づく業務に通算5年以上(従事日数900日以上)従事していることが条件です。
注意すべき点は、資格取得「前」の実務経験はカウントされないことです。
たとえば、介護福祉士の資格を取得する前に介護職として5年働いていても、介護福祉士登録後から5年間の実務経験が必要になります。
重要なお知らせ
2025年10月、厚生労働省がケアマネジャーの受験資格について、実務経験を5年から3年に短縮する検討を始めたと報じられました。
2027年度の介護保険制度改正に向けた動きですが、2025年10月時点では「検討段階」であり、現行の受験資格は「実務経験5年以上」のままです。
制度変更が正式決定された場合、受験のハードルが下がり、ケアマネジャーを目指しやすくなる可能性があります。
最新情報は、受験する都道府県の試験実施機関で必ずご確認ください。
ケアマネジャーの合格率と試験
第27回介護支援専門員実務研修受講試験(2024年度)の合格率は32.1%でした。
試験は年1回、例年10月に実施されます。
試験に合格後、介護支援専門員実務研修(87時間以上)を全日程受講し、都道府県に登録することで、ケアマネジャーとして働けるようになります。
ケアマネジャーの仕事内容
ケアマネジャーの主な業務は、ケアプランの作成です。
利用者様の心身の状態やご家族の状況、本人の希望を丁寧にアセスメント(評価)し、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与など、必要なサービスを組み合わせたケアプランを作成します。
サービス開始後も、定期的にモニタリング(経過観察)を行い、状態の変化に応じてケアプランを見直します。
利用者様やご家族からの相談対応、サービス事業所との連絡調整も重要な業務です。
ケアマネジャーは、ケアプラン作成が中心業務ですが、実際には介護現場に出ることも少なくありません。
特に小規模な施設では、ケアマネジャー業務と介護業務を兼任するケースもあります。
ケアマネジャーの配置基準は、居宅介護支援事業所では利用者35人につき1人が目安とされています。
介護資格取得のよくある疑問
無資格・未経験から介護福祉士になるには何年かかる?
最短で約3年です。
初任者研修を約1〜4ヶ月で修了し、実務者研修を約3〜6ヶ月で修了します。
その後、介護施設で3年以上の実務経験(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)を積めば、介護福祉士国家試験を受験できます。
ただし、これは働きながら資格を取得する場合の最短ルートです。
初任者研修と実務者研修、どちらから取るべき?
介護未経験の方は、初任者研修から始めることをお勧めします。
実務者研修は無資格でも受講できますが、内容は介護経験者向けです。
初任者研修で基礎をしっかり学んでから実務者研修に進むことで、理解が深まります。
クリエ福祉アカデミーでは、無資格の方向けに初任者研修と実務者研修をセットで受講できる「ダブル受講」制度もあります。
実務者研修の受講料だけで、初任者研修も一緒に学べるお得なセット講座です。
介護職員初任者研修を取れば就職できる?
初任者研修を修了すれば、訪問介護員や施設の介護職員として働けます。
ただし、就職については求人状況や本人の適性によって異なるため、必ず就職できるとは限りません。
地方では、運転免許を持っていない場合、訪問介護の業務が困難なため採用を見送られることもあります。
クリエ福祉アカデミーでは、2025年3月末時点で890名以上の就職支援実績があります。
まとめ
介護資格には明確なキャリアパスがあります。
介護職員初任者研修で基礎を学び、実務者研修で専門性を高め、介護福祉士として現場のプロフェッショナルを目指す。
さらにケアマネジャーとして、ケアプラン作成のスペシャリストになる道もあります。
大切なのは、自分のキャリアビジョンに合った資格を選ぶことです。
訪問介護員として利用者様のご自宅で寄り添いたい方、施設で多くの利用者様をサポートしたい方、マネジメントに携わりたい方。
それぞれの目標に応じて、必要な資格とキャリアパスが異なります。
この記事が、あなたの介護キャリアの第一歩を踏み出す助けになれば幸いです。
クリエ福祉アカデミーでは、初任者研修から実務者研修、就職支援まで、段階的なキャリアアップをサポートしています。
介護資格について詳しく知りたい方、受講を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
初任者研修の詳細はこちら:クリエ福祉アカデミー初任者研修
実務者研修の詳細はこちら:クリエ福祉アカデミー実務者研修