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実務者研修の修了にはどのくらいかかる?研修内容から受講の流れまで詳しく解説

実務者研修の修了にはどのくらいかかる?研修内容から受講の流れまで詳しく解説
 

実務者研修とは? 初任者研修との違い

実務者研修とは? 初任者研修との違い

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)は、介護福祉士国家試験を「実務経験ルート」で受験するために修了が義務付けられている研修です。
平成28年度(2016年度)の第29回介護福祉士国家試験から、実務経験3年以上に加えて実務者研修の修了が受験要件となりました(社会福祉士及び介護福祉士法施行規則の一部改正、平成23年公布・平成28年度施行)。

実務者研修は、介護職員初任者研修の「延長」や「上位版」と思われがちですが、研修の目的も学ぶ内容も異なります。
初任者研修は「介護の基本的な知識と技術を身につける入門研修」で、全10科目・130時間のカリキュラムで構成されています。
一方、実務者研修は「介護福祉士養成施設(2年以上の養成課程)における到達目標と同等の水準」を目指す研修です。

つまり実務者研修は、養成校で2年かけて学ぶ内容を、働きながらでも修了できるよう設計された研修といえます。

初任者研修と実務者研修の主な違い

初任者研修では、介護の基本動作(食事介助・入浴介助・排泄介助など)や、利用者様とのコミュニケーションの基礎を中心に学びます。
研修時間は130時間で、修了試験に合格すると修了証明書が交付されます。

実務者研修では、それらの基礎に加えて、より専門的な領域に踏み込みます。
たとえば、介護過程の展開では「なぜそのケアが必要なのか」「どのような根拠に基づいてケアプランを立てるのか」といった、ケアの組み立て方を体系的に学びます。
社会保障制度の仕組みや障害者総合支援法の内容、認知症ケアの専門知識、発達と老化に関する医学的な理解など、初任者研修では扱わない科目も数多く含まれています。

さらに、実務者研修でしか学べない大きな特徴が「医療的ケア」の科目です。
喀痰吸引(かくたんきゅういん)や経管栄養といった、これまで医師や看護師しか行えなかった医療行為の基礎知識と技術を学びます。
初任者研修にはこの科目がありません。

全20科目・450時間という研修ボリュームは、初任者研修の約3.5倍にあたります。
「初任者研修の続き」というよりも、介護の専門職として必要な知識と技術を総合的に身につけるための、別次元の研修と考えたほうがよいでしょう。

なお、実務者研修は「資格」ではなく「研修」です。
修了すると「実務者研修修了証明書」が交付されます。
この修了証明書は生涯有効で、更新手続きは必要ありません。

実務者研修のカリキュラム ── 何を学ぶのか

実務者研修のカリキュラムは、厚生労働省によって全20科目・450時間と定められています。
学習内容は大きく4つの領域に分かれています。

領域1:人間と社会(40時間)

「人間の尊厳と自立」(5時間)と「社会の理解Ⅰ・Ⅱ」(5時間+30時間)で構成されます。
人権や尊厳の考え方、介護保険制度や障害者総合支援法、成年後見制度、生活保護制度といった社会保障制度の全体像を学びます。
介護職として利用者様を支えるうえで、法律や制度の知識は欠かせません。
たとえば「利用者様が使える制度を知らなかったために、必要なサービスにつなげられなかった」という事態を防ぐための科目です。

領域2:介護(190時間)

実務者研修のカリキュラムの中で最もボリュームが大きい領域です。
「介護の基本Ⅰ・Ⅱ」(10時間+20時間)、「コミュニケーション技術」(20時間)、「生活支援技術Ⅰ・Ⅱ」(20時間+30時間)、そして「介護過程Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」(20時間+25時間+45時間)で構成されます。

特に重要なのが「介護過程Ⅲ」(45時間)です。
介護過程とは、利用者様一人ひとりの状態に合わせて、アセスメント(情報収集と分析)→ 計画立案 → 実施 → 評価というサイクルを回しながらケアを提供する考え方です。
この科目は通学(スクーリング)が必須で、グループワークや事例検討を通じて実践的に学びます。

領域3:こころとからだのしくみ(170時間)

「発達と老化の理解Ⅰ・Ⅱ」(10時間+20時間)、「認知症の理解Ⅰ・Ⅱ」(10時間+20時間)、「障害の理解Ⅰ・Ⅱ」(10時間+20時間)、「こころとからだのしくみⅠ・Ⅱ」(20時間+60時間)で構成されます。

老化による身体や心理の変化、認知症の種類や症状への対応、さまざまな障害の特性といった、介護の現場で直接役立つ医学的な知識を身につけます。
たとえば、利用者様がいつもより食事量が少ないとき、「体調不良なのか」「認知症の進行なのか」「薬の副作用なのか」を判断するための基礎知識がここで学べます。

領域4:医療的ケア(50時間+演習)

喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)の基礎知識を学びます。
講義50時間に加えて、シミュレーター(人体模型)を使った演習を修了する必要があります。
この演習も通学が必須です。

ただし、実務者研修を修了しただけでは、実際の介護現場で喀痰吸引や経管栄養を行うことはできません。
実際にこれらの医療的ケアを行うには、所定の実地研修を修了して「認定特定行為業務従事者」の認定を受け、さらに所属する事業所が「登録喀痰吸引等事業者」として登録されている必要があります。
医師の指示のもと、看護師等との連携を図りながら実施する点も忘れてはなりません。

実務者研修の研修時間と修了までの期間

保有資格別の研修時間

実務者研修は、すでに取得している介護関連の資格に応じて一部科目が免除され、研修時間が短縮されます。
以下が保有資格別の研修時間です。

保有資格 研修時間 免除時間 修了までの目安期間
無資格 450時間 なし 最短6ヶ月
介護職員初任者研修修了者 320時間 130時間 最短約2ヶ月〜
旧ホームヘルパー2級 320時間 130時間 最短約2ヶ月〜
旧ホームヘルパー1級 95時間 355時間 最短約1ヶ月
旧ホームヘルパー3級 420時間 30時間 最短2ヶ月〜
介護職員基礎研修修了者 50時間 400時間 最短約1ヶ月〜

※スクールや学習ペースにより異なります。

どの資格を持っていても、医療的ケア(講義50時間+演習)は免除されません。
必ず受講する必要があります。

なお、旧ホームヘルパー1級・2級・3級、介護職員基礎研修はすでに廃止された資格・研修ですが、修了者は実務者研修の科目免除を受けられます。

無資格者は最短6ヶ月

無資格の方が実務者研修を受講する場合、厚生労働省の「実務者研修の指定基準」により、教育期間は「6ヶ月・450時間以上」と定められています。
このため、無資格の方は最短でも修了まで6ヶ月かかります。

一方、初任者研修修了者やヘルパー2級保有者の場合は130時間が免除されるため、スクールによっては最短約2ヶ月で修了できます。

450時間のカリキュラムのうち、通学(スクーリング)が必須の科目は介護過程Ⅲ(45時間)と医療的ケアの演習のみです。
それ以外の科目(最大405時間分)は通信での学習が認められているため、仕事をしながらでも受講しやすい仕組みになっています。

実務者研修を修了するとできること

実務者研修を修了するとできること

介護福祉士国家試験の受験資格を得られる

実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験するには、「実務経験3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)」に加えて、実務者研修の修了が必要です(社会福祉士及び介護福祉士法第40条第2項第5号)。
初任者研修だけでは受験資格を満たしません。

なお、介護福祉士国家試験の実技試験はすでに廃止されており、現在は筆記試験のみで実施されています(社会福祉振興・試験センター)。

介護福祉士国家試験の受験申し込みは例年8月上旬から9月上旬に行われ、試験は翌年1月に実施されます。
申し込み時点で実務者研修を修了していない場合は「修了見込証明書」での申し込みも可能ですが、年度末(3月31日)までに修了証明書を社会福祉振興・試験センターに提出しなければ、合格は無効となります。
受験を考えている方は、逆算して早めに受講を開始しましょう。

サービス提供責任者(サ責)になれる

訪問介護事業所では、サービス提供責任者の配置が義務付けられています。
2026年3月時点で、サービス提供責任者になるには以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 介護福祉士
  • 実務者研修修了者
  • 旧介護職員基礎研修修了者
  • 旧訪問介護員養成研修1級課程修了者

以前は「3年以上の実務経験を持つ初任者研修修了者」もサービス提供責任者になれましたが、2018年度の介護報酬改定でこの要件は除外されました。
そのため、現在はこれからサービス提供責任者を目指す場合、実務者研修の修了か介護福祉士の取得が必要です。

サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成や利用申し込みの調整、ヘルパーへの指導といった業務を担います。
実務経験がなくても、実務者研修を修了すればサービス提供責任者の要件を満たすことができます。

医療的ケアの基礎知識が身につく

前述のとおり、実務者研修では喀痰吸引や経管栄養の基礎知識を学べます。
実際に医療的ケアを行うには別途実地研修が必要ですが、医療的ケアの仕組みや安全管理の考え方を理解しているかどうかで、現場での動き方は大きく変わります。

クリエ福祉アカデミーで実務者研修を受ける場合の流れ

クリエ福祉アカデミーの実務者研修は、自宅学習と通学学習を組み合わせたカリキュラムです。
自分のペースで学習を進められるため、働きながらでも無理なく受講できます。

お申し込みいただくと、毎月1日または15日に教材・受講証・学習の手引き等がご自宅に届きます。

自宅学習

クリエ福祉アカデミーの通信課題は全部で19科目あり、各科目11問~60問のマークシート方式です(科目によって問題数が異なります)。
すべての科目で70点以上が合格となり、70点に満たない場合は再提出が必要です。

問題はテキストを参照しながら解答していく形式のため、ポイントをしっかり押さえていれば着実に進められます。
ただし、テキストの文章量は膨大です。
じっくり読み込んで学習する場合は、研修時間どおりの学習量になることもあります。

特に介護福祉士国家試験の受験を予定している方は、通信課題をただこなすだけでなく、テキストの内容を深く理解しながら学習を進めることをおすすめします。
実務者研修の学習内容は国家試験の出題科目と重なる部分が多いため、ここでの学習がそのまま試験対策につながります。

なお、介護過程と医療的ケアの2科目を先に提出すると、次のステップである通学学習(スクーリング)に早く進めます。
最短での修了を目指す場合は、この2科目を優先して取り組むのがポイントです。

通学学習

通学学習は、クリエ福祉アカデミーの調布校・国分寺校で実施しています。
通学に必要な日数は、保有資格に応じて以下のとおりです。

保有資格 通学日数
無資格の方 7日
介護職員初任者研修修了者 7日
旧ホームヘルパー3級 7日
旧ホームヘルパー2級 7日
旧ホームヘルパー1級 7日
介護職員基礎研修修了者 2日

通学では、介護過程Ⅲの演習(グループワークや事例検討)と、医療的ケアの演習(シミュレーターを使った喀痰吸引・経管栄養の手技練習)を行います。

修了

すべての通信課題の提出・合格と、通学学習の修了をもって、実務者研修の修了となります。
修了証明書は、通信課題・通学学習・受講料の支払い(分割払いの方は全額支払い完了後)がすべて終わった時点で、修了証明書申請書を提出してから2週間〜1ヶ月程度でご自宅に郵送されます。
スクーリングが先に終わっていても、通信課題が未完了の場合は修了証明書を発行できませんので、計画的に学習を進めましょう。

修了までの最短期間は、初任者研修やヘルパー2級などの有資格者で約2ヶ月、無資格の方で最短6ヶ月です。

実務者研修の大部分は自宅学習のため、学習のペース配分は自分次第です。
仕事が忙しい時期はゆっくり、時間に余裕があるときに集中して取り組むなど、柔軟にスケジュールを調整できます。

介護福祉士国家試験の受験を視野に入れている方は、試験のスケジュールから逆算して受講を開始しましょう。
無資格の方は遅くとも試験前年の5月頃、初任者研修修了者は9月頃までに受講を始めると、年度末の修了に間に合います。

実務者研修の受講についてご不明な点があれば、クリエ福祉アカデミーの実務者研修ページからお気軽にお問い合わせください。

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