介護の夜勤って、どんなことをするの?

介護の入所施設では、24時間体制で介護を行うため、夜勤で働く人が必要です。
夜勤というと、「勤務時間が長いから体力的にきつそう」「スタッフが少ないから大変」などのイメージがあって不安かもしれません。
実際のところ、どのような業務を行っているのかを簡単にご紹介しましょう。

夜勤の仕事内容は大きく分けて、入居者が就寝するまで、消灯後、起床時の3つの区切りで業務があり、最後に日勤スタッフと引き継いで終了になります。

・就寝するまで:
日勤スタッフから引き継ぎを受け、入居者の心身や体調の様子を把握し、介護に必要な注意点を確認します。
その後、夕食や服薬の介助、トイレ介助、歯磨き、着替え、ベッドへの移乗などを行います。

・消灯後:
定期的にベッドを巡回し、呼吸などの様子を確認したり、体位交換、おむつ交換を行います。
巡回の合間に介護記録などの事務作業を行い、トイレなどのコールが来たら対応します。
複数人での夜勤の場合、交代で仮眠をとります。

・起床時:
ベッドからの起き上がりや移動、トイレ介助、着替えを行います。
早番スタッフと一緒に朝食の準備や食事・服薬の介助、歯磨き、洗顔、髪梳きやひげ剃りなどを行います。

介護施設により異なりますが、勤務体制は4交代制が一般的で、7時〜16時の早番、8時〜17時の日勤、11時〜20時の遅番、16時〜9時の夜勤とシフトが組まれています。
また、夜勤は就業時間が異なる「ロング夜勤」と「ショート夜勤」の二つに別れます。

・ロング夜勤(3交代制)
ロング夜勤は、例として16時〜翌日9時または10時(休憩2時間)と16時間の労働となり、1回の出勤で2日分働くことになります。夜勤帯のスタッフが複数いる場合は、休憩時間に仮眠をとることもできます。また、ロング夜勤は、勤務が終了した日は夜勤明けでその翌日が休みとなり、連続した自由時間が確保できます。

・ショート夜勤(2交代制)
ショート夜勤は、例として23時〜翌日8時(休憩1時間)と日勤帯と同じく8時間労働になります。ロング夜勤と比べて労働時間が短いので身体的な負担は少ないですが、夜勤明けの翌日も出勤のところも多く、ロング夜勤のように連続した休みが少なく感じやすいです。

日本医療労働組合連合会が発表した2019年介護施設夜勤実態調査によれば、ショート夜勤のある施設は全国で約11%、ロング夜勤は約87%となり、ほとんどの介護施設でロング夜勤を取り入れていることがわかります。

介護の夜勤のメリットって?

夜に寝ないで介護する夜勤は、体への負担が大きいものの、人によってはメリットが大きく、専従で働く人もいます。

なんといっても大きな利点は夜勤手当です。夜勤手当は「割増額」「一律額」「一律額+割増額」と支給方法は施設によって様々です。
「割増額」は、夜22時から早朝5時までは深夜割増手当の支給が労働基準法で定められており、基本給を時給換算した金額の25%の割増賃金がつきます。
「一律額」は、「割増額」では介護職員の時給によって夜勤手当が異なるため、一律支給として事業所が定めた夜勤手当となります。
「一律額+割増額」は、夜勤労働者の人材確保のため、深夜の割増賃金にプラスして事業所が定めた夜勤手当がつきます。

2019年介護施設夜勤実態調査結果によると、ロング夜勤(2交代制)の場合の夜勤手当平均額は6,125円(正規職員)、ショート夜勤(3交代制)の場合は4,242円(正規職員)です。
施設によってばらつきがありますが、特に老人保健施設の夜勤手当最高額は15,157円(正規職員)にまでのぼるケースもあります。
なので、例えば月に10日以上など夜勤で勤務した場合、昼間だけの勤務より給料が数万~十数万円差がつく可能性も出てきます。

夜勤は入居者が就寝した後の巡回業務がメインとなるため、日勤と比べて入浴やレクリエーションなどの業務がなく、通常は業務が少なくて済む場合が多いです。

また、夜勤のシフトのみ入る夜勤専従という働き方もあります。夜勤専従は日勤と比べ少ない勤務日数で高収入が得られる、仕事内容を覚えやすい、Wワークやプライベートの時間が取れるなどのメリットがあります。

介護で夜勤に入る場合の注意点は?

夜勤は日勤に比べて職員の人数が少なくなるため、介護に対する責任は重くなります。
入居者の体調が急変した場合など、場合によっては1人で対応しなければならず、判断力や行動力が求められます。

また、入居者によっては夜間になると落ち着きがなくなる、トイレに頻繁に行くようになるなどの変化が見られるので、一人一人の様子をよく見て知っておく必要があります。

日勤や早番・遅番の変則的な勤務により、疲れがとれない、生活リズムが狂って体調を崩しやすくなる人もいます。
自分自身の体調管理も十分注意しておきましょう。

夜勤は、生活タイルによって大きなメリットにもデメリットにもなりえます。
どのような働き方が自分に向いていて、長く続けられそうかをよく検討しておくとよいでしょう。


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