5段階で移行する改正「育児・介護休業法」とは
2022年4月1日に改正された「育児・介護休業法」の大きな特徴は、男性の育児参加です。
5つの改正内容が段階的に施行されることがポイントで、介護職も育児や介護との両立がしやすくなることが期待されています。
そこで今回の記事では、5段階の内容を改正の時系列に沿って紹介していきます。
2022年4月の改正ポイント
育児休暇を取得しやすい雇用環境や措置を義務化(2022年4月1日)
育児休業と産後パパ育休を取りやすい職場環境を整備の義務化がスタートしました。
育児休業に関する研修の開催や相談窓口の開設などがポイントです。
また、育児休業の申し出があった場合、従業員に対して個別の周知や意向確認の措置も義務化されました。
今回義務化された妊娠や、本人または配偶者が出産すると申し出た労働者に対する個別の周知や意向確認の措置とは、次の4つです。
育児休業や産後パパ育休に関する制度について
育児休業や産後パパ育休を取得したいときの申し出先について
育児休業給付に関する内容について
育児休業や産後パパ育休を取得している期間に労働者が負担する社会保険料の取扱いについて
大切なのは、育児休業の取得に関する周知と合わせて、育児休業給付や社会保険料といった収入に関する情報も周知しなければならないことです。
それまで雇用後1年以上の条件がありましたが、一定の条件で雇用期間にかかわらず取得できるようになりました。
つまり、従業員は雇用されてすぐのタイミングであっても育児休業の取得が可能になります。
なお、子が1歳半になるまでの間に契約満了しないとわかっている場合に限られるため、注意しましょう。
2022年10月以降の改正ポイント
正式には「出生時育児休業」と呼ばれる新制度がスタートします。育児休暇とは別制度で、男性の従業員が対象です。
ただし、取得可能な日数は4週間まで、子の出生後8週間以内に取得できます。
育児休業が分割して取得可能(2022年10月1日)
それまで、育児休暇は連続して一度に取得する必要がありましたが、改正後は2回に分割して取得できます。
また、育児休業の開始日も緩和されます。
これまでは子が1歳以降になる育児休業の延長の開始日は1歳または1歳半の時点に限られていたため、取得の促進効果が期待されています。
育児休業の取得状況について公表の義務化(2023年4月1日)
育児休業の取得率などを年に1回公表しなければならなくなります。
取得率は公表日が属する会計年度の直前の会計年度です。
また、公表する方法は、誰でも閲覧しやすいように公式ホームページなどでおこないます。
今回の改正によって、これまで以上に育児休業を取得しやすくなれば、介護で働く人にとってもワークライフバランスを実現しやすくなるでしょう。