介護資格の勉強を0から始める方へ!段取りを徹底解説
目次
介護資格取得の全体像:0から介護福祉士までのキャリアパス
介護業界で働きたいけれど、「何から始めればいいか分からない」「どんな資格を取ればいいのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
介護の仕事には無資格でも働ける職場がありますが、実際には資格がないとできる仕事が大きく制限されてしまいます。
本記事では、これから介護資格の勉強を始める方に向けて、0から介護福祉士を目指すまでの段取りを具体的に解説します。
どの資格をどの順番で取得すればいいのか、それぞれの資格でどんな仕事ができるようになるのか、受講費用や期間はどのくらいかかるのか。
すべて分かりやすく説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
※本記事の情報は2025年10月時点のものです。
最新の制度情報は厚生労働省や各都道府県の公式サイトでご確認ください。
介護の資格にはいくつかの種類がありますが、これから介護業界を目指す方は、以下の順番で資格を取得していくのが一般的です。
1,介護職員初任者研修
- 受講資格:なし(誰でも受講可能)
- 取得期間:約1〜3ヶ月
- 取得方法:民間のスクールで受講
2,実務者研修
- 受講資格:なし(誰でも受講可能)
- 取得期間:約2〜6ヶ月(保有資格により異なる)
- 取得方法:民間のスクールで受講
3,介護福祉士(国家資格)
- 受験資格:実務経験3年以上+実務者研修修了
- 試験:年1回(例年1月下旬)
- 合格率:約70〜80%
介護資格は段階的に取得していく仕組みになっています。
いきなり介護福祉士を目指すことはできず、まずは入門資格である介護職員初任者研修から始めるのが基本です。
なぜ段階的に取得するのか?
介護の仕事は、人の命と尊厳に関わる専門職です。
そのため、基礎的な知識と技術を身につけてから、徐々に高度な内容を学んでいく必要があります。
初任者研修で介護の基礎を学び、実務者研修でさらに専門職としての知識・技術・思考力を高め、最終的に国家資格である介護福祉士を目指すという流れです。
無資格でも介護の仕事はできる?できる仕事・できない仕事
介護業界では、無資格でも働ける職場があります。
しかし、無資格のままでは大きな制約があることを理解しておく必要があります。
無資格者が担当できる仕事
無資格者が担当できるのは、介護助手としての周辺業務のみです。
具体的には以下のような業務です。
施設内の清掃、ベッドメイキング、食事の配膳・下膳、洗濯業務、備品管理、利用者様の見守り、話し相手。
これらはすべて「利用者様の身体に直接触れない」業務です。
無資格者ができない仕事
無資格者が単独で身体介護を行うことはできません。
ただし、施設内と訪問介護では扱いが異なります。
施設内の場合、介護職員初任者研修以上の有資格者の指導・監督下であれば、無資格者でも身体介護を補助することが認められています。
一方、訪問介護の場合は、利用者様の自宅で単独での対応となるため、介護職員初任者研修以上の資格が必須です(介護保険法第8条第2項)。
身体介護とは、以下のような業務を指します。
- 食事介助(食べさせる、口に運ぶなど)
- 入浴介助(身体を洗う、浴槽への出入りを手伝うなど)
- 排泄介助(トイレ介助、おむつ交換など)
- 着替えの介助
- 移乗介助(ベッドから車いすへの移動など)
- 体位変換
訪問介護でこれらの身体介護を行うには、介護職員初任者研修以上の資格が必須です。
施設内であっても、有資格者の指導なく無資格者が単独で身体介護を行うと、介護保険法違反となり、事業所が行政処分を受ける可能性があります。
無資格者は認知症介護基礎研修の受講が必須
2024年4月から、無資格で介護に携わる職員に対して「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されました。
厚生労働省は2021年度(令和3年度)の介護報酬改定で認知症介護基礎研修の義務化を決定し、3年間の経過措置期間を経て、2024年4月から完全適用しています。
認知症介護基礎研修とは、認知症介護に必要な基礎的な知識と技術を学ぶための研修です。
居宅介護、施設介護など、働いている施設の種類を問わず、介護に直接携わる無資格者はすべて対象となります。
2024年4月以降、無資格者で認知症介護基礎研修を受講していない場合、介護業務に従事できなくなりました。
新たに採用された無資格者は、入職後1年以内に研修を受講する必要があります。
ただし、介護職員初任者研修以上の資格を持っている方は、認知症介護基礎研修の受講が免除されます。
そのため、これから介護業界で働きたい方は、認知症介護基礎研修だけでなく、より包括的な知識と技術が学べる初任者研修の取得をおすすめします。
訪問介護は初任者研修が必須
特に重要なのが、訪問介護の仕事です。
訪問介護で働くには、介護職員初任者研修以上の資格が必須です(介護保険法第8条第2項)。
無資格者は、訪問介護員として働くことができません。
訪問介護は、夜勤がなく、直行直帰で働けるため、育児や家庭と両立しやすい働き方として人気があります。
しかし、初任者研修を取得していなければ、そもそも応募できません。
無資格者の給与は低い
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員の平均給与額は338,200円(基本給253,810円+各種手当84,390円)です。
同調査結果では、介護福祉士の平均給与額は397,620円と報告されており、資格の有無や種類によって給与に差があることが示されています。
ただし、給与は勤務先の施設形態、地域、雇用形態、経験年数などによって大きく異なるため、あくまで目安として捉えてください。
一般的に、無資格よりも介護職員初任者研修修了者の方が給与面で優遇される傾向にあり、資格手当として月5,000円〜1万円が支給される施設も多く見られます。
無資格ではキャリアアップが難しい
無資格のまま働き続けても、リーダーや主任といった役職に就くことはほぼ不可能です。
また、昇給も見込めず、何年働いても給与がほとんど上がらないケースが多く見られます。
介護業界で長く働きたいと考えているなら、できるだけ早く初任者研修を取得することを強くおすすめします。
入門資格「介護職員初任者研修」とは?
介護職員初任者研修は、介護業界で働くための入門資格です。
2013年4月の制度改正により、従来のホームヘルパー2級から名称と内容が変更されました。
初任者研修で学べる内容
初任者研修では、介護の基本的な知識と技術を130時間かけて学びます(厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」)。
講義科目として、職務の理解、介護における尊厳の保持・自立支援、介護の基本、介護・福祉サービスの理解と医療との連携、介護におけるコミュニケーション技術、老化の理解、認知症の理解、障害の理解を学びます。
演習科目として、こころとからだのしくみと生活支援技術を学び、食事介助、入浴介助、排泄介助、移乗・移動介助、着替えの介助の実技を練習します。
講義で知識を学び、演習で実際に介護技術を練習します。
最終日には修了試験があり、合格すると修了証が発行されます。
初任者研修を取得するメリット
初任者研修を取得すると、以下のメリットがあります。
身体介護ができるようになり、食事介助、入浴介助、排泄介助といった身体介護を担当できるようになります。
訪問介護で働けるようになり、訪問介護員として、利用者様の自宅を訪問して介護サービスを提供できます。
夜勤がなく、直行直帰で働けるため、育児や家庭と両立しやすい働き方です。
給与アップが期待でき、資格を取得することで給与面での優遇が期待できます。
また、資格手当が支給される施設も多く、月5,000円〜1万円の手当が上乗せされます。
キャリアアップの道が開け、初任者研修を取得すると、実務者研修、介護福祉士へとステップアップできます。
リーダーや主任といった役職を目指せるようになります。
就職・転職で有利になり、初任者研修を取得していると、求人の選択肢が大きく広がります。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス、訪問介護など、さまざまな施設で正社員として採用される可能性が高まります。
初任者研修の取得方法:0からの段取りを詳しく解説
ここからは、初任者研修を0から取得するまでの具体的な段取りを説明します。
ステップ① 受講するスクールを選ぶ
初任者研修は、都道府県に登録された民間のスクールで受講します。
スクールを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
受講スケジュール
初任者研修のスクールには、主に以下の2つのコースがあります。
短期コースは平日週3日通学で約1ヶ月で修了、土日コースは週1日(土曜または日曜)通学で約3ヶ月で修了します。
仕事や家庭の都合に合わせて、自分に合ったコースを選びましょう。
受講費用
初任者研修の受講費用は、スクールによって異なりますが、5万円〜10万円程度が相場です(各都道府県の養成機関調査、2025年時点)。
クリエ福祉アカデミーの場合、受講費用は2025年10月現在キャンペーンを行っており、48,400円(テキスト代込・税込)です。
振替受講の制度
急な予定が入って欠席した場合、他の日に振替受講できるかどうかも確認しましょう。
クリエ福祉アカデミーでは、調布校・国分寺校のどちらでも無料で振替受講が可能です。
通学のしやすさ
自宅や職場から通いやすい場所にあるスクールを選ぶと、通学の負担が軽減されます。
ステップ② 申込みと受講料の支払い
受講するスクールを決めたら、申込手続きを行います。
多くのスクールでは、Webフォームからの申込み、電話での申込み、郵送またはFAXでの申込みができます。
クリエ福祉アカデミーでは、公式サイトの初任者研修ページから申込みが可能です。
申込み後、受講料を支払います。
支払い方法は、銀行振込、現金払い、クレジットカード決済、PayPayなどから選べるスクールが一般的です。
また、2回程度までの分割払いに対応しているスクールもあります。
ステップ③ 開講日にテキストを受け取り、講義開始
開講日に、テキストと通信課題(レポート)を受け取ります。
初回は、オリエンテーションと最初の講義を行います。
ステップ④ 通学と自宅学習を並行して進める
初任者研修は、通学(講義と演習)と自宅学習(通信課題)を組み合わせたカリキュラムです。
全15回の通学で、各科目を履修します。
1回あたりの講義時間は、9:30〜16:30または9:30〜17:00が一般的です。
講義では、介護の基礎知識や制度、コミュニケーション技術などを学びます。
演習では、実際に介護技術を練習します。
食事介助、入浴介助、排泄介助、移乗介助などを、シミュレーター(人形)や受講生同士で実習形式で学びます。
通学しない日は、自宅で通信課題(レポート)に取り組みます。
テキストを読んで、設問に回答する形式が一般的です。
通信課題は提出が必須で、すべて提出しないと修了試験を受けられません。
ステップ⑤ 修了試験を受ける
最終日(15回目)に、修了試験を実施します。
修了試験は、これまで学んだ内容の理解度を確認するための試験です。
試験形式は、選択式または記述式の筆記試験が一般的です。
合格基準は、おおむね70点以上です。
万が一不合格になっても、再試験を受けられるスクールがほとんどですので、安心してください。
ステップ⑥ 修了証を受け取る
修了試験に合格すると、修了証が発行されます。
この修了証が、介護職員初任者研修を修了した証明書になります。
就職・転職の際には、この修了証を提出します。
初任者研修取得後のキャリアパスは実務者研修と介護福祉士
初任者研修を取得した後、さらにキャリアアップを目指すなら、実務者研修と介護福祉士の取得を目指しましょう。
次のステップは実務者研修
実務者研修は、初任者研修の上位資格です。
初任者研修を修了していなくても受講できますが、初任者研修修了者は一部科目が免除されるため、受講期間と費用を抑えられます。
実務者研修を取得すると、介護福祉士国家試験の受験資格を満たせ、サービス提供責任者になれ、より専門的な介護技術を学べ、給与面での優遇が期待できます。
受講期間は、保有資格によって異なります。
初任者研修修了者の場合、約2〜6ヶ月で修了できます。
受講費用は、クリエ福祉アカデミーの場合、86,900円(テキスト代込・税込)です。
また、初任者研修と実務者研修を同時申込みすると、25%OFFの108,900円で両方を取得できるお得な制度もあります。
詳しくは実務者研修のページをご覧ください。
最終目標は介護福祉士(国家資格)
介護福祉士は、介護の国家資格です。
介護職としての専門性が認められ、給与面でも大きく優遇されます。
介護福祉士国家試験を受験するには、以下の条件を満たす必要があります。
実務経験3年以上(従事日数540日以上かつ従業期間3年以上)、実務者研修の修了。
つまり、初任者研修を取得して介護施設で3年間働きながら実務者研修を修了すれば、介護福祉士国家試験を受験できます。
介護福祉士を取得すると、厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると平均給与額は397,620円となっており、リーダー、主任、施設長といった管理職を目指せるようになります。
転職時に有利になり、専門性が認められ、社会的な信頼が高まります。
介護福祉士国家試験の合格率
第37回介護福祉士国家試験(2025年1月実施)の合格率は78.3%でした(厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験合格発表について」令和7年3月)。
しっかり勉強すれば、十分に合格を目指せる試験です。
第38回介護福祉士国家試験は、2026年1月25日(日)に実施予定です(厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験の施行について」令和7年)。
なお、第38回試験からは「パート合格制度」が導入され、合格したパートは翌々年まで受験免除となります。
働きながら資格を取得する方法
すでに介護施設で無資格のまま働いている方や、他の仕事をしながら資格取得を目指す方も多いでしょう。
ここでは、働きながら資格を取得する方法を紹介します。
働いている方は、土日コースを選ぶと無理なく通学できます。
週1日(土曜または日曜)の通学で、約3ヶ月かけて修了を目指します。
一方、現在仕事をしていない方や、短期集中で取得したい方は、短期コースがおすすめです。
平日週3日の通学で、約1ヶ月で修了できます。
急な仕事や家庭の都合で欠席した場合でも、振替受講ができるスクールを選べば安心です。
クリエ福祉アカデミーでは、調布校・国分寺校のどちらでも無料で振替受講が可能です。
介護施設の中には、資格取得を支援する制度を設けているところがあります。
たとえば、受講費用の一部または全額を補助してくれる施設、勤務時間を調整してくれる施設などです。
勤務先に資格取得支援制度があるか、一度確認してみましょう。
雇用保険に一定期間加入している方は、教育訓練給付制度を利用できる場合があります。
2024年10月から制度が拡充され、特定一般教育訓練給付指定講座の場合、資格取得後に就職すると受講料の最大50%(上限25万円)が給付されます。
詳しくは、お住まいの地域を管轄するハローワークにお問い合わせください。
クリエ福祉アカデミーで資格取得から就職までサポート
クリエ福祉アカデミーでは、介護職員初任者研修と実務者研修を提供しています。
短期コース(約1ヶ月)と土日コース(約3ヶ月)から選べるため、仕事や家庭と両立しながら資格を取得できます。
欠席した場合も、調布校・国分寺校のどちらでも無料で振替受講が可能です。
クリエ福祉アカデミーの講座は、厚生労働大臣指定の教育訓練給付指定講座です。
条件を満たす方は、修了後にハローワークへ申請すると、受講料の一部が給付されます。
初任者研修と実務者研修を同時に申込むと、25%OFFの108,900円で両方を取得できます。
将来的に介護福祉士を目指す方は、この同時申込み制度を利用すると大幅にコストを削減できます。
資格取得後の就職・転職をサポートする人材紹介サービスも提供しています。
施設見学から面接対策、内定後のフォローまで、就職支援担当者が一貫してサポートします。
「資格を取ったけれど、どこに就職すればいいか分からない」という方でも安心です。
介護業界への就職を前提とした「特待生制度」も用意しています。
条件を満たす方は、初任者研修と実務者研修の受講料が無料になり、就職サポートも受けられます。
詳しくはクリエ福祉アカデミー公式サイトをご覧ください。
0から介護福祉士を目指すなら、まずは初任者研修から
介護資格を0から取得する場合、以下の段取りで進めましょう。
ステップ1:介護職員初任者研修を取得する
- 受講期間:約1〜3ヶ月
- 受講費用:48,400円(クリエ福祉アカデミーの場合、テキスト代込・税込)
- 取得後:身体介護ができるようになり、訪問介護でも働ける
ステップ2:介護施設で実務経験を積みながら実務者研修を取得する
- 受講期間:約2〜6ヶ月
- 受講費用:86,900円(初任者研修修了者、クリエ福祉アカデミーの場合)
- 取得後:介護福祉士国家試験の受験資格を満たせる
ステップ3:介護福祉士国家試験に合格する
- 受験資格:実務経験3年以上+実務者研修修了
- 試験:年1回(2026年1月25日実施予定)
- 取得後:平均月給約35万円、管理職を目指せる
無資格のまま働き続けても、給与は低く、キャリアアップも難しい状況が続きます。
介護業界で長く働きたいと考えているなら、できるだけ早く初任者研修を取得しましょう。
クリエ福祉アカデミーでは、働きながらでも通いやすい柔軟なスケジュールで初任者研修を提供しています。
資格取得から就職まで、全力でサポートします。
まずは介護職員初任者研修のページで、最新の開講日程と受講料をご確認ください。
介護業界でのキャリアをスタートさせる第一歩を、クリエ福祉アカデミーで踏み出しましょう。