介護業界って、ほんとうに転職しやすいの?
少子高齢化にともなってニーズが増え続けている介護業界ですが、ほんとうに転職しやすいのか疑問をもっている方も多いと思います。
介護業界では、多くの施設や介護事業所が人手不足です。
高齢化によって施設やサービスの利用者は増える一方で、介護職員はずっと増員が求められています。
このため、介護の仕事は、未経験でも無資格でも始めることができる求人が多くなっていますし、年齢制限も特に設けられていないことが多く、誰でも転職のチャンスがあります。
さらに、介護職員初任者研修など専門的知識や技能を習得すれば、業務内容に制限もなくなり、働きがいも増えますし、待遇面の向上も期待できます。また、介護福祉士、ケアマネジャーなどキャリアアップの道も用意されています。
また、介護関連の施設にはいろいろな種類があるため、どこに転職すればよいのかと迷ってしまうかもしれません。
介護施設は、対象とする利用者の状況にあわせてさまざまな種類の施設・事業所があり、職場での業務内容は、施設の性質によって変わってきます。
その代表的な施設として「特別養護老人ホーム(特養)」と「有料老人ホーム(有料)」があります。施設の種類は分かっていても実際の働き方や違いについてはよく分からない、、という方もいらっしゃるでしょう。これから介護の仕事へ転職予定の方も、自分にとってどの施設が向いているかそれぞれの違いについてご紹介します。
特別養護老人ホームとは?
特別養護老人ホームは、社会福祉法人などが運営し、原則65歳以上で要介護認定を3以上受けた高齢者が入所する公的施設です。入居費用が比較的安いため入居希望者も多く、入居待ちとなっている施設も多くあります。
特養は比較的介護度の高い方が多く、終の棲家として利用する方もいるため、終末期ケアや看取りを行うのも特徴です。
・特別養護老人ホームの働き方
特養は、施設が「従来型」と「ユニット型」の2つのタイプに分けられ、それぞれのタイプで働き方も異なってきます。
〈従来型〉
「従来型」は、4人部屋などの多床室で構成された施設になります。多くの利用者に対して複数人のスタッフでケアにあたるので、協力しながら業務に取り組むことができます。また、先輩スタッフの仕事ぶりを間近で学ぶことができるので介護が初めての方でも安心です。
〈ユニット型〉
「ユニット型」は、10名程度の個室が一つのユニットとして構成された施設になります。厚労省が発表している「平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況」では介護老人福祉施設でユニット型を実施している割合は約37%になります。
「ユニット型」は、利用者一人ひとりの個性や生活のリズムを尊重したケアが重視され、ユニットごとに少人数のスタッフが専任でケアにあたります。そのため、利用者との距離も近く、利用者に寄り添った個別ケアができます。ただ、夜勤は一人で対応する場合もあるので、一人の判断が任される機会が多くなります。
・特別養護老人ホームが向いている人とは?
「従来型」も「ユニット型」も働き方の違いはありますが、特養の特徴として先にも述べたように、利用者は介護度が高く、長期間入所している方が多いため、時間をかけてじっくり利用者と向き合いあってケアにあたりたい方、介護スキルや知識を身につけたい方にとってはおすすめの施設です。また、身体介護の業務が中心となるためレクリエーションが苦手な方も特養等の施設でケアをしていくのが向いています。
有料老人ホームとは?
有料老人ホームは、民間企業が運営する原則65歳以上の高齢者が入所する施設で、「介護付」「住宅型」「健康型」と3つのタイプに分けられます。また、認知症や医療ケア、リハビリに力を入れている施設、ホテルのような接遇サービスを提供する施設など、サービス内容や特徴は企業や施設によって異なります。
・有料老人ホームの働き方
〈介護付有料老人ホーム〉
介護を必要とする高齢者が入所する施設で、介護職員が24時間サポートを行います。仕事内容は、食事、入浴、排泄介助などの身体介護をはじめ、洗濯掃除などの生活サポート、レクリエーションを行います。リハビリや医療ケアに特化した施設では、看護師や理学療法士、作業療法士などの医療を専門としたスタッフも勤務しているので、医療スタッフとの連携で様々なアプローチから利用者の介護や生活支援を行えることも特徴です。
〈住宅型有料老人ホーム〉
自立や要支援など比較的元気な高齢者が入所する施設で、原則として施設スタッフによる介護サービスは提供しません。介護を必要とする場合は、外部の介護保険サービス(デイサービス、訪問介護)を利用することになります。施設スタッフとして働く場合は、見守りや食事、洗濯、掃除などの生活支援が中心となるので、身体的な負担は少ないです。
〈健康型有料老人ホーム〉
健康で自立している高齢者が入所する施設で、介護が必要になった場合は退去しなければなりません。健康型有料老人ホームの仕事内容は、食事や家事などの生活サポートから、緊急時の対応など、住宅型と同じく介護サービスの提供はありません。施設内にスポーツジムやカラオケ、シアタールームなどが併設されている高級な施設も多く、挨拶やマナーなど接遇面を重視されることもあります。
・有料老人ホームが向いている人とは?
有料老人ホームはサービスの提供内容によって、特徴も働き方も大きく異なってきますので、給与面や福利厚生とは別に施設の特徴を知ることも転職先を選ぶ上では大切な要素になってきます。
また、有料老人ホームは民間企業が運営していることから、福利厚生が充実していたり、研修制度や初任者研修や実務者研修などの資格支援制度があるなど、初めて介護職に就く方にとっては、安心できる環境が整っています。大手企業が運営する有料老人ホームでは、キャリアパスが明確になっており、リーダーや施設長、相談員など将来介護の世界で幅広く活躍していきたい方は大手企業の有料老人ホームを一つの候補にあげると良いでしょう。また、コミュニケーションを率先して行える方、また職員全体の年齢層が若くなっているので、それに抵抗のない方も向いています。
どうやって介護の就職先を選べばいいの?
実際にどの施設へ転職するのが良いのかは気になるところですが、自分がライフスタイルに合わせてどのような働き方を望んでいるのかによって適切な施設が異なります。
転職先を探すときは特に、給与面や拘束時間、キャリアアップ制度といった待遇に関するもののほか、施設の清潔感、立地などの環境面、スタッフの明るさなどの人間関係などについて注目してみましょう。いろいろな求人情報から施設ごとに情報を集め、実際に見学するなどして比較検討をしてみてください。
たとえば、クリエ福祉アカデミーでは、スクールで介護の知識や技能向上、資格取得に必要なサポートを行ってくれます。介護職に強い人材紹介・派遣の実績を活かしたていねいな面談で、希望する働き方に合わせた介護施設の傾向も考えられるでしょう。そのほか、施設見学などで施設の情報を効果的に集められます。
特に転職先の情報の収集は、実際のところ自力ではなかなか難しいので、上手に活用することをおすすめします。