介護の仕事内容とは?業務の種類・働く場所・資格・給与をわかりやすく解説
「介護の仕事ってどんなことをするの?」「資格がなくても働ける?」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
介護職は、高齢者や障がいのある方の日常生活を支える専門的な仕事です。
入浴や食事の介助だけでなく、生活全般のサポートから相談対応まで、業務の幅はとても広くなっています。
2026年度には約240万人の介護職員が必要と推計されており、介護は社会にとって欠かせない仕事です。
しかも、年々処遇改善が進んでおり、2024年の介護職員の平均給与は月額33万8,200円と前年から約1万4,000円アップしました。
ここからは、介護の仕事内容を具体的に解説します。
これから介護業界で働くことを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
介護の仕事内容は大きく5つに分かれる
介護の仕事と聞くと「入浴や排泄の介助」をイメージする方が多いかもしれません。
確かにそれも大切な業務のひとつですが、実際にはもっと多くの仕事があります。
介護の仕事内容は、大きく分けると以下の5つです。
| 業務の種類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 身体介護 | 利用者の身体に直接触れて行う介助 | 食事介助、入浴介助、排泄介助、移乗・移動介助、体位変換、着替えの介助 |
| 生活援助 | 日常生活を間接的にサポートする業務 | 掃除、洗濯、買い物代行、食事の調理・配膳、ベッドメイキング |
| 精神面の支援 | 利用者の心の健康を支える業務 | 日々の声かけ・会話、レクリエーションの企画・実施、季節行事の運営 |
| 相談・計画業務 | 利用者やご家族への相談対応、サービス計画の作成 | ケアプランに基づくサービス提供、面談、サービス事業所との連絡調整 |
| 記録・連携業務 | 利用者の状態を記録し、チームで共有する業務 | 介護記録の作成、申し送り、医師・看護師との情報共有 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
身体介護
身体介護とは、利用者の身体に直接触れながら行う介助のことです。
たとえば、食事介助では食べ物を口に運ぶだけでなく、飲み込みやすい姿勢を整えたり、むせないよう注意しながら介助を進めます。
入浴介助では、衣服の着脱から洗身、浴槽への出入りまで一連の流れを安全にサポートします。
排泄介助では、トイレへの移動やおむつ交換を、利用者の尊厳を守りながら行います。
ほかにも移乗・移動介助(車いすへの乗り移りなど)、体位変換(長時間同じ姿勢でいる方の体の向きを変える)、着替えの介助なども身体介護に含まれます。
身体介護は利用者の安全と尊厳に直結するため、正しい知識と技術が求められる業務です。
生活援助
生活援助とは、利用者の日常生活を間接的にサポートする業務です。
具体的には、掃除、洗濯、買い物の代行、食事の調理・配膳、ベッドメイキングなどがあります。
利用者が快適に過ごせるよう生活環境を整える仕事であり、直接身体に触れる業務ではありません。
訪問介護では、この生活援助と身体介護を組み合わせてサービスを提供します。
施設勤務の場合は、食事の配膳やシーツ交換、居室の清掃なども日常業務のひとつです。
精神面の支援・レクリエーション
介護は身体的な支援だけではありません。
利用者の心の健康を保つための精神面の支援も大切な業務です。
日々の声かけや会話を通じて、利用者の気持ちに寄り添い、安心感を提供します。
施設では、季節の行事やゲーム、歌、体操などのレクリエーションを企画・実施して、利用者の楽しみや生きがいを引き出す役割もあります。
たとえば、認知症の利用者が日課の塗り絵に集中しているとき、表情がぱっと明るくなる瞬間があります。
こうした変化に気づけるのは、日々利用者と接している介護職ならではです。
相談・計画業務
利用者やご家族からの相談を受けたり、介護サービスの計画を作成・調整する業務もあります。
介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するケアプランをもとに、利用者一人ひとりに合った介護サービスを提供します。
介護職員も日常の変化を記録し、ケアプランの見直しに必要な情報を提供する役割を担っています。
生活相談員やサービス提供責任者になると、利用者・家族との面談やサービス事業所との連絡調整など、より専門的な相談・計画業務を行います。
記録・連携業務
介護現場では、利用者の状態を正確に記録し、チームで共有することが重要です。
介護記録の作成、申し送り(引き継ぎ)、医師や看護師との情報共有など、事務的な業務も介護職の大切な仕事のひとつです。
記録を丁寧につけることで、利用者の体調変化を早期に発見し、適切なケアにつなげられます。
介護はチームで行う仕事です。
医師、看護師、リハビリ専門職、栄養士、ケアマネジャーなど多くの職種と連携しながら、利用者を支えています。
介護職の1日の流れ(一例)
介護の仕事は、勤務先によって1日の流れが異なります。
ここでは、入所施設(特別養護老人ホーム)の日勤と訪問介護の例をご紹介します。
入所施設(日勤)の場合
入所施設は24時間体制のため、早番・日勤・遅番・夜勤のシフト制で勤務するのが一般的です。
日勤帯の流れは、おおむね以下のとおりです。
| 時間帯 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 8:30 | 出勤・夜勤スタッフからの申し送り(利用者の夜間の様子を確認) |
| 9:00 | バイタルチェック(体温・血圧の測定)、水分補給の介助 |
| 10:00 | 入浴介助、排泄介助、居室の環境整備 |
| 12:00 | 昼食の配膳・食事介助、服薬の確認 |
| 13:00 | 休憩 |
| 14:00 | レクリエーションの実施、利用者の見守り、記録の作成 |
| 15:00 | おやつの提供、排泄介助 |
| 16:00 | 夕食の準備、介護記録の仕上げ |
| 17:00 | 夜勤スタッフへの申し送り、退勤 |
※施設や勤務シフトによって内容・時間帯は異なります。
訪問介護の場合
訪問介護では、利用者の自宅を訪問してサービスを提供します。
1回の訪問は30分〜1時間程度で、1日に複数の利用者宅を回ります。
| 時間帯 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出勤・1日のスケジュール確認 |
| 9:30 | 1件目の訪問(身体介護:入浴介助、着替えなど) |
| 10:30 | 移動・記録の作成 |
| 11:00 | 2件目の訪問(生活援助:調理、掃除など) |
| 12:00 | 事務所に戻って休憩 |
| 13:30 | 3件目の訪問(身体介護:食事介助、服薬確認など) |
| 15:00 | 4件目の訪問(生活援助:買い物代行など) |
| 16:00 | 事務所に戻り、記録の作成・報告 |
| 17:00 | 退勤 |
※ケアプランに基づいてサービス内容が決まるため、訪問ごとに業務が異なります。
訪問介護は利用者と1対1で接するため、信頼関係の構築がとても大切になります。
介護の仕事はどこで働く?主な勤務先を解説
介護職の勤務先は、大きく「入所型」「通所型」「訪問型」の3つに分かれます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のとおりです。
| 入所型施設 | 通所型施設 | 訪問型 | |
|---|---|---|---|
| サービスの形態 | 利用者が施設に入居し、24時間体制でケアを受ける | 利用者が自宅から日帰りで通い、日中のサービスを受ける | 利用者の自宅を訪問してサービスを提供する |
| 代表的な施設 | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホームなど | 通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア) | 訪問介護事業所 |
| 夜勤の有無 | あり(シフト制) | 基本なし | 基本なし(夜間対応型を除く) |
| 必要な資格 | 無資格でも勤務可(認知症介護基礎研修の受講は必要) | 無資格でも勤務可(同上) | 介護職員初任者研修以上が必要 |
それぞれの特徴を理解して、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
入所型施設
利用者が施設に入居して24時間体制で介護サービスを受ける施設です。
夜勤を含むシフト制勤務が基本になります。
特別養護老人ホーム(特養)は要介護3以上の方が入居する施設で、長期的なケアを提供します。
介護老人保健施設(老健)はリハビリを通じた在宅復帰を目指す施設で、医師や看護師が常駐しているのが特徴です。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は認知症の方が少人数で共同生活を送る施設で、家庭的な雰囲気のなかでケアを行います。
通所型施設
利用者が自宅から日帰りで通い、日中のサービスを受ける施設です。
通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーション(デイケア)が代表的です。
デイサービスでは、入浴介助、食事の提供、レクリエーション活動、機能訓練などを行います。
利用者の送迎業務も介護職員が担うケースが多くあります。
通所型は日中のみの勤務が基本で、夜勤がないため、生活リズムを安定させやすい働き方です。
訪問型
利用者の自宅を訪問してサービスを提供する形態です。
訪問介護事業所を拠点に、介護職員(訪問介護員)が個別に利用者宅を回ります。
身体介護と生活援助を組み合わせたサービスを提供し、利用者が住み慣れた自宅で生活を続けられるよう支援します。
なお、訪問介護員として身体介護を行うには、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。
そのほかの勤務先
上記のほかにも、病院で看護師のサポートとして患者の療養生活を支援する「看護助手」としての勤務や、小規模多機能型居宅介護、短期入所生活介護(ショートステイ)など、さまざまな勤務先があります。
介護の仕事に資格は必要?
介護の仕事は、無資格・未経験からでも始められます。
ただし、業務の範囲は資格の有無によって異なります。
資格の有無による業務範囲の違い
無資格の場合と有資格の場合で、対応できる業務が変わります。
| 無資格 | 介護職員初任者研修以上 | |
|---|---|---|
| 施設での生活援助(配膳、シーツ交換、清掃など) | ○ | ○ |
| 施設での身体介護(入浴介助、排泄介助など) | △(有資格者の指導・監督のもとで可) | ○ |
| 訪問介護での身体介護・生活援助 | × | ○ |
| 認知症介護基礎研修の受講 | 必須(2024年4月〜義務化) | 不要(上位資格で免除) |
2024年4月以降、介護に直接携わる職員のうち医療・福祉系の資格を持たない方は「認知症介護基礎研修」の受講が義務づけられています(厚生労働省「認知症介護実践者等養成事業の実施について」の一部改正)。
受講はeラーニングで約150分程度で修了できます。
このように、無資格でも施設で働くことはできますが、業務範囲は限定されます。
介護職員初任者研修を修了するだけで、訪問介護を含む幅広い業務に対応でき、応募できる求人の選択肢が大きく広がります。
介護職の主な資格とキャリアパス
介護職の資格は段階的に取得していくのが一般的です。
以下の表に、主な資格と取得要件をまとめました。
| 資格名 | 種別 | 取得要件 | 標準的な期間 |
|---|---|---|---|
| 介護職員初任者研修 | 公的研修 | 講義・演習130時間の修了(厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」) | 約3〜4か月(通学形式) |
| 実務者研修 | 公的研修 | 450時間のカリキュラム修了(初任者研修修了者は一部科目免除) | 約6か月 |
| 介護福祉士 | 国家資格 | 実務経験ルート:従業期間3年以上かつ従事日数540日以上+実務者研修修了(社会福祉士及び介護福祉士法附則第2条第1項、同法施行規則第21条第2号) | 実務経験3年以上 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 公的資格 | 介護福祉士等の基礎資格で5年以上の実務経験+都道府県試験合格+実務研修修了(2026年3月時点) | 基礎資格取得後5年以上 |
キャリアアップの道筋を図にすると、次のようになります。
無資格 → 介護職員初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士
介護職員初任者研修は介護の入門資格です。
修了すると、訪問介護員として働けるようになり、応募できる求人の幅が広がります。
実務者研修は初任者研修の上位にあたる研修です。
介護福祉士国家試験の受験に必要な研修であり、より専門的な知識と技術を学びます。
初任者研修を修了している場合、一部科目が免除されるため受講時間が短縮されます。
介護福祉士は介護分野で唯一の国家資格です。
介護福祉士を取得すると、より専門性の高い業務を担当でき、給与面でも優遇される傾向があります。
介護職の給与・待遇
「介護職は給料が低い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、近年は処遇改善が進んでおり、給与水準は年々上昇しています。
最新の給与データ
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、2024年9月時点での介護職員(月給・常勤)の給与データは以下のとおりです。
| 項目 | 2024年(令和6年) | 前年からの増加額 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 平均給与額(基本給+手当+一時金) | 33万8,200円 | +1万3,960円 | 4.3% |
| 平均基本給額 | 25万3,810円 | +1万1,130円 | 4.6% |
(出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」)
この調査は介護職員等処遇改善加算を取得している事業所が対象のため、すべての事業所に当てはまるわけではありません。
施設の種類、地域、雇用形態、保有資格によって給与は異なりますので、あくまで目安として参考にしてください。
処遇改善の動き
介護職の給与が上昇している背景には、国の処遇改善施策があります。
2024年度の介護報酬改定では、従来の「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3種類が「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。
この加算を取得している事業所は全体の95.5%にのぼります(厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」)。
さらに、2025年度補正予算では介護従事者の賃上げ支援として1,920億円が計上され、2025年12月〜2026年5月の半年間、介護職員1人あたり月額最大1万9,000円の賃上げ支援が実施されています。
加えて、2026年6月からは介護報酬の臨時改定(プラス2.03%)が予定されており、補正予算による賃上げを恒久的な制度として引き継ぐ方針です。
介護職の処遇改善は今後も継続する見通しとなっています。
介護職のやりがいと大変さ
介護の仕事を検討するうえで、やりがいと大変さの両面を知っておくことは大切です。
やりがい
介護職の最大のやりがいは、利用者の方やご家族から直接「ありがとう」と言ってもらえることです。
介護労働安定センターの「令和5年度介護労働実態調査」によると、介護労働者の仕事に対する満足度は「仕事の内容・やりがい」の項目で最も高い評価を受けています。
利用者の笑顔やちょっとした回復の兆しに立ち会える瞬間、自分の介護が誰かの生活を支えていると実感できる場面は、ほかの仕事では得がたい経験です。
大変さ
一方で、身体的な負担があることも事実です。
移乗介助や入浴介助では体力を使いますし、入所施設では夜勤も発生します。
ただし、介護職全体の離職率は改善傾向にあります。
介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」によると、2024年の訪問介護員・介護職員の離職率は12.4%でした。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」による全産業の平均離職率14.2%を下回っており、10年前と比較すると約4ポイント低下しています。
働きやすい職場づくりが着実に進んでいるといえます。
職場選びの段階で、人員配置の状況や離職率、教育体制などを確認しておくと、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
介護業界の将来性
日本の高齢化は今後も進みます。
厚生労働省の推計では、2022年度時点の介護職員数は約215万人ですが、2026年度には約240万人(約25万人増)、2040年度には約272万人(約57万人増)の介護職員が必要とされています。
参照:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
介護職の需要は今後も伸び続けることが確実視されています。
人材確保のために国も処遇改善や働き方改革を推進しており、介護ロボットやICTの導入による業務負担の軽減も進んでいます。
「仕事がなくなる心配がない」という安定性は、介護職の大きな強みです。
未経験からでもキャリアアップの道筋が明確に用意されている点も、長く働ける業界といえる理由のひとつです。
介護の仕事を始めるなら、まずは資格取得から
介護の仕事に興味がある方は、まず介護職員初任者研修の受講を検討してみてください。
初任者研修を修了することで、介護の基礎知識と技術が身につくだけでなく、応募できる求人の選択肢が大きく広がります。
クリエ福祉アカデミーでは、介護職員初任者研修と実務者研修を開講しています。
未経験の方には、初任者研修と実務者研修を順番に受講する「ダブル受講」の仕組みも用意しており、効率的にキャリアアップを目指せます。
さらに、クリエ福祉アカデミーでは就職サポートも実施しています。
研修の受講中から就職活動を始められるため、修了後にスムーズに介護の仕事をスタートできます。
「介護の仕事を始めたい」「資格を取ってキャリアアップしたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。