介護の仕事はきついって言うけど、実際どうなの?|介護コラム|クリエ福祉アカデミー
介護の仕事って、本当にきついの?
介護の仕事は「大変だ」「きつい」というイメージをよく聞く人も多いでしょう。
これは、高齢者のサポートをするため体調や容態が急変して難しい判断を迫られたり、体を使った業務が多いことなど、介護者自身に負荷がかかりやすい点があるからです。
人と関わりあう職務ですから、中には精神的に不安定でコミュニケーションを取りづらい利用者もいるかもしれませんし、人手が足らない時には業務に追われることもあるでしょう。
こうしたことから、介護の職場環境が「きつい」と言われやすいところですが、どのような職場にも大なり小なり、職務にあたれば難しい問題や厳しい業務はありますし、介護だけが特別ではないのです。
実際のところ厳しい業務内容もありますが、「きつい」という情報、認知だけが独り歩きしている事が多く、一方で「楽しい」「やってよかった」などのやりがいや楽しさを感じるのも介護職の魅力の一つなのです。
実際のところ、介護ではどんな仕事をするの?
実際にどのような介護の業務が行われているか、どういった業務が「きつい」「大変」というイメージに繋がるのか具体的に見ていきましょう。
介護サービスには、主に「身体介護」と「介護補助・生活支援」の業務があります。
・身体介護
身体介護は、入浴、食事、排泄の3大介助や、起き上がったり座ったり歩いたりする際の移動介助、ベッドから車椅子に移ったり、車椅子からトイレに移る際の移乗介助があります。
うまく体を動かせない利用者に対し、それぞれの能力や身体機能を活かしながら行動のサポートを行うものです。
〈入浴介助〉
一人で入浴が困難な利用者に対して、脱衣、洗髪、洗身、入浴、清拭、着衣などをサポートします。入浴介助は、身体を清潔に保つだけではなく、心身機能向上やリラックス効果を目的としています。浴室は床が滑りやすく転倒の危険や、脱水症状、冬場のヒートショックなどのリスクもあるため、専門的な介護スキルが要求され、介助中は細心の注意を払う必要があります。
また、浴室での介助は体力の消耗も大きいので、体調管理をしっかり行うことも必要です。
〈食事介助〉
一人で食事がうまくできない利用者に対して食事の準備、摂食、片付けなどのサポートを行います。また、利用者一人ひとりの身体機能や嚥下機能は異なるので、食事をするときの姿勢や適切な摂食量、飲み込みの確認など、利用者に合わせて安全に食事ができるようサポートします。
〈排泄介助〉
一人では排泄が難しい利用者に対して、トイレへの誘導、排泄のサポート、おむつ交換などを行います。排泄は非常にデリケートなので人の手を借りることに抵抗を感じるものです。できる限り利用者が自分でできる部分は見守り、必要な介助を行います。また、利用者との信頼関係の構築も重要です。
〈移動・移乗介助〉
生活において「起き上がる」「座る」「歩く」「寝返り」が困難な利用者に対して日常の動作のサポートを行います。利用者一人ひとりの移動能力や身体能力は異なるので、利用者に合わせて安全に介助を行う必要があります。寝たきりを防ぐためにも移動介助は必要なケアです。
・介護補助・生活支援
介護補助・生活支援は、掃除や洗濯、食事準備、買い物など、直接の身体介護以外で行われる利用者の日常生活をサポートするものです。少子高齢化に伴い、人材不足が深刻な介護施設や事業所では、介護補助としてこれらの業務を行う人材を確保することで、人材不足を解消するところもあります。
・レクリエーション
体を動かしたり、ゲームやクイズなど利用者が楽しめるようなレクリエーションを企画し、実行します。レクリエーションは身体機能の維持・向上や、周囲の利用者と交流を深めることにより、会話や笑顔が増え、認知症の予防にもなります。
このように、体を使った業務は多いですが、特別に重労働の業務ばかりというわけではなく、日常生活の延長上のものが多くなります。
介護の仕事って、何が魅力なの?
体を使ってサポートする業務のため、疲れるときがあるかもしれませんが、一方で大きな意義を感じて仕事に励んでいる人が非常に多いです。
これは、介助するうちに利用者の身体的機能が安定したり、精神的な落ち着きがみえたり、利用者や家族から感謝の言葉を受けたりするなど、人のために役立っているという実感を得ることができるところが大きな要素になっています。
利用者が自分に心を開いてくれることは何よりも嬉しいはずです。
また、まったくの未経験でも、初任者研修や実務者研修を受けてスキルアップを図り、経験を積んで国家資格の介護福祉士を受験するなど、段階を踏んだキャリアアップの道も用意されています。
なかなか自分の実力が認められずキャリアアップに苦労する職場が多い中、介護職の場合は持っている資格によって着実にステップを踏んでいくことができるため、勉強のしがいもあります。
いま若い方にも介護職が注目されている要因の一つはここにあるでしょう。
介護の職場は、施設の種類や職種によって業務内容も変わり、やりがいなどの大きな可能性や魅力をもっています。
どんな方でもやればやるほど手応えを感じ、さらなる高みを目指せることが介護職の大きな魅力です。