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介護の仕事の覚え方

介護の仕事の覚え方
 

介護の仕事は、覚えることが決して少なくありません。
利用者様一人ひとりに合わせたケアの方法、施設ごとの業務手順、多職種との連携の仕方。
入職したばかりの頃は「何から手をつければいいのか分からない」と感じるのが当然です。

ただ、闇雲に頑張るのと、コツを押さえて取り組むのとでは成長のスピードがまるで違います。
実際に現場で活躍している介護職の多くは、新人時代に共通した「覚え方」を実践しています。

ここでは、介護の仕事を効率よく身につけるためのコツを紹介します。
これから介護の仕事を始める方はもちろん、入職して間もない方にも役立つ内容です。

利用者様の顔と名前を一致させることが最優先

利用者様の顔と名前を一致させることが最優先

顔と名前が一致していれば、「〇〇様にはこのケア」と仕事の流れがつかみやすくなります。
先輩介護職に質問する際も、利用者様の名前を出して具体的に聞けるようになるため、教わった内容の定着が早まります。

安全面でも、顔と名前の一致は欠かせません。
利用者様を取り違えてケアを行ったり、誤った方に薬を配ったりする事故を防ぐためにも、名前を覚えることは介護職としての基本中の基本です。

居室の位置と名前をセットで覚える

おすすめの覚え方は、居室の配置図と利用者様の名前を書いた一覧を自分で作成する方法です。
夜勤の巡回や日常の排泄介助、入浴介助などで居室を訪れるたびに確認すれば、自然と顔と名前が結びついていきます。

食堂の席順で覚える方法もありますが、施設によっては日替わりで自由に座る場合もあります。
変動しにくい居室の位置で覚えるほうが確実です。

メモとペンは常に持ち歩く

介護の仕事では、メモとペンが手放せません。
その理由は、利用者様ごとにケアの内容がまったく異なるからです。

現在の介護現場では、利用者様一人ひとりの心身の状態や生活習慣に合わせた個別ケアが基本です。

そのため、同じ排泄介助であっても、A様にはパッド交換、B様にはトイレ誘導というように方法が異なります。
食事介助でも、とろみの濃さや食事の姿勢、介助の声かけの仕方まで利用者様ごとに違うケースが少なくありません。

こうした個別のケア内容を一度に覚えるのは困難です。
先輩介護職に教わったことをその場でメモし、あとから整理する習慣をつけましょう。

メモを取るタイミングに注意する

ただし、利用者様のケア中に目の前でメモを取るのは避けるべきです。
利用者様に不安や不快な思いをさせてしまう可能性があります。

ケアが一段落してから、記憶が新しいうちにメモをまとめるようにしましょう。
「誰に・どのようなケアを・どの手順で行うか」を簡潔に書き留めておくと、あとで見返したときに役立ちます。

先輩介護職の動きを「観察」する

移乗介助のとき、先輩がどの位置に立っているか。
声かけのタイミングはいつか。
利用者様の身体のどこに手を添えているか。

こうした細かい動作を意識的に観察するだけで、学べることは格段に増えます。
研修のテキストに載っている「正しい手順」と、実際の現場で先輩が行っている動きを比べてみると、現場ならではの工夫や配慮に気づけるはずです。

ただ後ろをついて回るだけでは、なかなか仕事は身につきません。
「なぜ先輩はこの順番でケアをしているのか」「なぜこの利用者様にはこの方法なのか」と、常に理由を考えながら観察することが大切です。

分からないことは具体的に質問する

介護の現場では、分からないことをそのままにしておくのが一番危険です。
あいまいな理解のままケアを行えば、利用者様にけがをさせてしまったり、体調の変化を見落としてしまったりする恐れがあります。

ただ、「分からないので教えてください」とだけ聞いても、先輩も何を教えればいいのか判断しづらいものです。
質問するときは、できるだけ具体的に聞くことがポイントです。

たとえば「〇〇様の移乗介助で、車いすのフットレストを外すタイミングが分かりません」「△△様の食事介助で、とろみの濃さはどのくらいが適切ですか」というように、利用者様の名前とケアの内容をセットで質問しましょう。

先輩介護職の立場からすれば、具体的な質問をしてくれる新人のほうがずっと教えやすく、成長意欲も伝わります。
失敗を恐れて質問しないよりも、積極的に聞いて覚えようとする姿勢のほうが、周囲からの信頼につながります。

介護記録を読み込んで利用者様の全体像を把握する

介護の仕事を覚える手段として、意外と見落とされがちなのが「介護記録を読むこと」です。

介護施設では、利用者様ごとにケアプラン(介護サービス計画書)や介護記録が作成されています。
そこには、利用者様の身体状態や生活歴、好きなこと、注意が必要な点など、ケアに直結する情報が記載されています。

新人のうちは目の前の業務をこなすことで精一杯になりがちですが、少し余裕ができたら介護記録に目を通す時間を作りましょう。
記録を読むことで「この利用者様は右側に麻痺がある」「夜間にトイレの回数が多い」「水分をあまり摂りたがらない」など、ケアの根拠となる情報が見えてきます。

背景を理解していれば、先輩から教わったケア方法の「なぜ」が分かり、応用も利くようになります。

振り返りの習慣をつける

振り返りの習慣をつける

メモが「先輩から教わった情報の記録」だとすれば、振り返りは「自分自身のケアを客観的に見直す作業」です。
1日の終わりに、自分の行動を振り返る時間を設けることで、仕事の覚えが格段に早くなります。

やり方はシンプルで構いません。
「今日うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」を頭の中で整理するだけでも効果があります。
たとえば「B様の入浴介助で、シャワーの温度確認を忘れてしまった」「C様への声かけで、安心した表情をしてもらえた」というように、具体的な場面を思い出してみましょう。

特に、ヒヤリとした場面やハッとした場面は、なぜそうなったのか原因まで考えることが大切です。
介護現場では「ヒヤリハット報告」を通じて施設全体で事故防止に取り組んでいます。
日々の振り返りでヒヤリハットの芽に自分で気づけるようになれば、同じ失敗を繰り返さないだけでなく、利用者様の安全を守る意識も高まります。

振り返りは、自分の成長を実感できる手段でもあります。
1か月前の自分と今の自分を比べてみると、確実にできることが増えていることに気づくはずです。

入職前・入職直後に初任者研修で基礎を固める

ここまで紹介したコツは、いずれも介護現場で実践するものです。
ただし、現場での学びを最大限に活かすためには、事前に介護の基礎知識を身につけておくことが大きな助けになります。

介護職員初任者研修は、全10科目・130時間のカリキュラムで構成された介護の入門資格です(厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」)。
移乗介助や排泄介助、食事介助といった身体介護の基本技術を実技演習で学べるほか、認知症の理解やコミュニケーション技術、介護職としての心構えもしっかり学びます。

初任者研修を修了していると、現場に出たときの理解度がまったく変わります。
先輩介護職の指導を受けたとき「研修で習った手順はこういうことだったのか」と実感できるため、仕事の覚えが格段に早くなります。

初任者研修は介護の実務経験がなくても受講でき、通学と通信を組み合わせた受講方法であれば約1〜4か月で修了できます。
修了後は訪問介護事業所で身体介護に従事できるようになるほか、上位資格である実務者研修の受講時に130時間分のカリキュラムが免除されるため、将来のキャリアアップにもつながります。

介護の仕事を始める前に基礎を学んでおきたい方、入職直後で現場の仕事に不安を感じている方は、 初任者研修の受講を検討してみてください。

まとめ

介護の仕事を効率よく覚えるために、押さえておきたいコツを改めて整理します。

まず最優先で取り組むべきは、利用者様の顔と名前を一致させることです。
居室の位置とセットで覚える方法が確実です。

次に、メモとペンを常に持ち歩き、利用者様ごとのケア内容を記録する習慣をつけましょう。
個別ケアが基本の介護現場では、自分だけのメモが大きな武器になります。

そのうえで、先輩介護職の動きを意識的に観察すること、分からないことは具体的に質問すること、介護記録を読み込んで利用者様の背景を理解すること、1日の終わりに自分のケアを振り返ること。
この4つを日々の業務に組み込むことで、成長のスピードは確実に上がります。

そして、現場での学びの土台として、介護職員初任者研修で基礎知識と技術を体系的に身につけておくことをおすすめします。
初任者研修では介護技術だけでなく、介護職としての心構えや利用者様の尊厳を守る考え方まで学べるため、現場に出てからの理解度がまったく違います。

介護の仕事は大変ですが、利用者様の生活を支えるやりがいのある仕事でもあります。
正しい覚え方を実践して、着実に一人前の介護職を目指しましょう。

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