実際に聞いてみた!介護士の仕事のやりがいはどんなところ?
目次
介護士として働くことに興味はあるものの、「実際にやりがいを感じられる仕事なのだろうか」と不安を抱えている方は少なくありません。
体力的な負担や精神的なストレスが取り上げられることも多い介護の仕事ですが、実際に現場で働く介護士の多くは、仕事そのものにやりがいを感じています。
公益財団法人介護労働安定センターが実施した「令和6年度介護労働実態調査」(2025年7月公表)によると、介護労働者の仕事に対する満足度のうち、「仕事の内容・やりがい」の満足度D.I.(満足と回答した割合から不満足と回答した割合を差し引いた指標)は28.2ポイントでした。
前年度(令和5年度)の38.0ポイントから約10ポイント低下しており、介護現場の状況変化がうかがえます。
それでも、賃金や労働時間への不満と比較すると、仕事の内容そのものには満足している介護士が多いことがわかります。
では、介護士は具体的にどのような場面でやりがいを感じているのでしょうか。
調査データと、介護現場で働く方々の声をもとに詳しく解説します。
調査データから見る介護士のやりがい
令和5年度介護労働実態調査では、介護労働者20,699名を対象に「今の仕事のやりがいや働きがい」について質問しています。
回答結果は以下のとおりです。
| やりがい・働きがいの内容 | 回答割合 |
|---|---|
| 利用者の援助・支援や生活改善につながる | 36.4% |
| 福祉に貢献できる | 28.0% |
| 専門性が発揮できる | 25.8% |
| 仕事が楽しい | 24.2% |
| 自分が成長している実感がある | 21.7% |
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」2024年7月公表)
最も多かったのは「利用者の援助・支援や生活改善につながる」で36.4%でした。
介護士として利用者様の生活を直接支え、その方の暮らしが良くなっていく実感が、大きなやりがいにつながっていることがわかります。
また、「福祉に貢献できる」が28.0%、「専門性が発揮できる」が25.8%と続いており、社会的な意義や自身のスキルを活かせることにも満足感を得ている介護士が多い結果となりました。
年齢層別に見ると、若年層では「自分が成長している実感がある」「仕事が楽しい」「目標にしたい先輩・同僚がいる」と回答した割合が全体平均より高くなっています。
介護の仕事を通じて自己成長を実感できることも、特に若い世代にとって重要なやりがいといえます。
現場の介護士が語る「やりがいを感じる瞬間」
調査データだけでは伝わりにくい、介護現場のリアルな声をご紹介します。
以下は、クリエ福祉アカデミーの修了生へのインタビュー(2024年実施)から抜粋したものです。
Kさん(特別養護老人ホーム勤務・介護職歴5年)の声
Q. 介護士として働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
やはり入居者様の笑顔を見ることができた時です。
今まで介助が必要だったことを、ご自身でほんの少しでもできるようになった瞬間の表情は忘れられません。
まるで自分のことのように嬉しくなりますし、「この仕事をしていてよかった」と心から思えます。
Q. 介護士になってよかったと思う瞬間はありますか?
日々の触れ合いのなかでたくさんあります。
たとえば、レクリエーションの時間で入居者様と一緒に何かを成し遂げる瞬間です。
昔の懐かしい遊びをしている時、皆さんの表情がぱっと明るくなるのを見ると、本当に嬉しくなります。
昔のことを思い出しながら話をしてくださる時間を、私はとても大切にしています。
その方の人生を尊重した介護ができていると感じる瞬間は、介護士になってよかったと思える瞬間です。
Mさん(有料老人ホーム勤務・介護職歴3年)の声
Q. 介護士として働いていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
毎日元気に過ごされている姿を見ることができる時です。
朝いつも通り出勤して「おはようございます」と声をかけた時、入居者様それぞれから違う返事が返ってきます。
「今日もよろしくね」「あなた、ちょっと太ったんじゃない?」など、日常的な会話のやり取りがとても好きで、やりがいを感じます。
入居者様との会話のなかで、カルテでは分からないことをたくさん知ることができます。
私にだけ相談をしてくださる方もいて、信頼されていると感じられることが嬉しいです。
Q. 介護士になってよかったと思う瞬間はありますか?
入居者様から「あなたでよかったわ」と言っていただける瞬間です。
「あなたじゃないと介護されたくない」とおっしゃってくださる入居者様もいて、頼りにされている、信頼されていると感じます。
そういう時に、介護士になってよかったと心から思います。
介護士のやりがいを支える3つの要素
調査データと現場の声を総合すると、介護士のやりがいは主に3つの要素から成り立っています。
1. 利用者様の笑顔と感謝
介護士のやりがいとして最も多く挙げられるのが、利用者様の笑顔や感謝の言葉です。
令和5年度介護労働実態調査でも、「利用者の援助・支援や生活改善につながる」が36.4%で最多でした。
介護の仕事は、利用者様の生活に直接関わります。
食事、入浴、排泄といった日常生活の支援を通じて、利用者様の表情が和らいだり、「ありがとう」と言っていただけたりする瞬間があります。
数字や成果物として見えにくい仕事だからこそ、利用者様からの直接的な反応が大きな励みになります。
2. 信頼関係の構築
介護の仕事では、利用者様やご家族との信頼関係が欠かせません。
身体に触れて日常生活をサポートするという業務の特性上、信頼関係なしには質の高いケアを提供できないからです。
「この人になら任せられる」「あなたに介護してもらいたい」と言っていただけることは、介護士としての存在価値を実感できる瞬間です。
信頼関係を築くには時間がかかりますが、一度築いた信頼は大きなやりがいにつながります。
3. 自己成長と専門性の発揮
令和5年度介護労働実態調査では、「専門性が発揮できる」が25.8%、「自分が成長している実感がある」が21.7%でした。
介護の仕事は、経験を積むほどに対応できる場面が増え、自身の成長を実感しやすい職業です。
たとえば、利用者様の体調の微妙な変化に気づけるようになったり、認知症の方への適切な声かけができるようになったりと、日々の業務のなかで専門性が磨かれていきます。
介護福祉士などの資格取得を目指すことで、さらに専門的な知識と技術を身につけることもできます。
やりがいだけではない?介護士の仕事の現実
介護士の仕事にはやりがいがある一方で、課題があることも事実です。
令和6年度介護労働実態調査によると、「仕事の内容・やりがい」の満足度D.I.は28.2ポイントで、前年度の38.0ポイントから約10ポイント低下しました。
また、「賃金」に対する満足度D.I.は依然としてマイナスの値となっており、給与面での不満を持つ介護士が少なくありません。
介護の仕事を検討する際は、やりがいだけでなく、給与や労働条件についても事前に確認することが大切です。
ただし、近年は介護職員の処遇改善が着実に進んでいます。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員の平均月給は約33万8,200円(令和6年9月時点、各種手当・一時金含む)となっています。
さらに、2025年11月に公表された厚生労働省委託調査の速報値では、令和7年7月時点で介護職員の平均給与は約34万1,340円(ボーナス含む)に増加しており、処遇改善の効果が表れています。
また、「令和6年度介護労働実態調査」では、介護職員の離職率は12.4%で、2年連続で過去最低を更新しました。
労働環境の改善が進んでいることがうかがえます。
介護士を目指すならまずは資格取得から
介護士としてやりがいを持って働くためには、基礎的な知識と技術を身につけることが重要です。
介護職員初任者研修を修了すれば、介護の基本を体系的に学ぶことができ、訪問介護員として働くことも可能になります。
介護職員初任者研修は、介護業界で働くための第一歩となる入門資格です。
厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」によると、研修時間は講義と演習を合わせて130時間以上と定められています。
通学形式の場合、約1〜4ヶ月程度で修了することが一般的です。
さらに上位資格である介護福祉士を目指す場合は、実務者研修の修了と実務経験3年以上が必要になります。
資格を取得することで、専門性を発揮できる場面が増え、やりがいをより強く感じられるようになります。
まとめ
介護士の仕事には、他の職種では得られない独自のやりがいがあります。
公益財団法人介護労働安定センターの調査では、仕事の内容・やりがいに対する満足度が他の項目と比較して高く、多くの介護士が仕事そのものに充実感を感じています。
やりがいの中心にあるのは、利用者様との関わりです。
笑顔を見られること、感謝の言葉をいただけること、信頼関係を築けること。
こうした日々の積み重ねが、介護士としての大きなモチベーションになっています。
介護の仕事に興味がある方は、まず介護職員初任者研修で基礎を学ぶことをおすすめします。
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