介護の夜勤のメリットや注意点とは?【2025年12月最新版】
目次
介護の夜勤とは
介護施設での夜勤とは、主に夕方から翌朝にかけて入所者のケアを行う勤務形態を指します。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホームなど、入所型の介護施設では24時間体制で利用者を見守る必要があるため、夜勤を担当する介護職員が欠かせません。
日本医療労働組合連合会の「2024年介護施設夜勤実態調査」によると、2交代制の夜勤を導入している施設は88.4%を占めています(参照:日本医療労働組合連合会 介護施設夜勤実態調査)。
多くの介護施設で夜勤体制が組まれており、夜勤は介護職にとって身近な働き方といえます。
介護の夜勤の仕事内容
夜勤中の主な業務は、日中と同様に入所者の生活を支えることです。
ただし、夜間は入所者のほとんどが就寝しているため、日中とは業務の内容や負担が異なります。
主な業務内容
夜勤で行う業務には以下のようなものがあります。
就寝介助(イブニングケア)
入所者が安全に眠りにつけるよう、着替えの介助や寝具の調整を行います。
服薬が必要な方には、看護師と連携して服薬確認も実施します。
就寝前のケアを丁寧に行うことで、寝たきり状態の方であっても睡眠の質の向上が期待できるとされています。
利用者様が安心して眠りにつけるよう、声かけやリラックスできる環境づくりも大切な業務のひとつです。
巡視・見守り
定期的に各居室を巡回し、入所者の状態を確認します。
巡視の目的は、入所者の安全確認だけでなく、体調の変化や異変の早期発見にもあります。
とくに認知症の方や夜間に徘徊のリスクがある方については、こまめな見守りが求められます。
夜間は入所者が静かに過ごしている時間帯だからこそ、普段とは違う様子に気づきやすいという面もあります。
排泄介助・おむつ交換
夜間でもトイレ介助やおむつ交換は欠かせません。
適切なタイミングでの排泄介助は、入所者の皮膚トラブル予防や快適な睡眠の維持につながります。
入所者の睡眠を妨げないよう配慮しながら対応します。
体位交換
寝たきりの方は床ずれ(褥瘡)を防ぐため、一定時間ごとに体位を変える必要があります。
夜間も2〜3時間おきに実施することが多いです。
体位交換は、入所者の身体的負担を軽減し、快適な睡眠環境を維持するための重要なケアです。
起床介助(モーニングケア)
朝になると入所者の起床を手伝います。
着替えや洗顔の介助を行い、朝食の準備へと引き継ぎます。
起床介助を丁寧に行うことで、入所者が気持ちよく一日をスタートできるようサポートします。
記録・申し送り
夜間の入所者の様子や対応内容を記録し、日勤スタッフへ申し送りを行います。
入所者の体調変化など重要な情報を正確に伝えることが大切です。
夜勤中に気づいた小さな変化でも、日勤スタッフと共有することで、より質の高いケアにつながります。
夜勤のシフト体制(2交代制と3交代制)
介護施設の夜勤シフトは、大きく分けて「2交代制」と「3交代制」の2種類に分かれます。
それぞれの特徴と違いを理解しておきましょう。
2交代制(16時間夜勤)
2交代制では、勤務を「日勤」と「夜勤」の2つに分けます。
夜勤は夕方から翌朝にかけての勤務となり、休憩を含めて16時間以上の長時間勤務になることが多いです。
勤務時間の例
16:00〜翌9:00、17:00〜翌10:00など(休憩2時間含む)
※施設によって勤務時間は異なります。
日本医療労働組合連合会の調査によると、2交代制を導入している施設のうち、84.8%が16時間以上の夜勤を実施しています。
2交代制の仕組みをわかりやすく解説
2交代制のメリットは、1回の夜勤で日勤2日分の勤務としてカウントされることが多い点です。
具体的にどういうことか、例を挙げて説明します。
たとえば、月曜日の夕方17時に出勤し、火曜日の朝9時に退勤したとします。
この1回の夜勤で、月曜日分と火曜日分の2日分の勤務をこなしたことになります。
そのため、火曜日は「夜勤明け」として退勤後に休息を取り、水曜日も「休み」となるシフトが組まれるケースが多いです。
つまり、1回夜勤をすると、その後2日間は出勤しないで済むことになります。
このように、夜勤をこなすことでまとまった連休を得やすく、プライベートの時間を有効活用できるというメリットがあります。
3交代制(8時間夜勤)
3交代制では、勤務を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つに分けます。
1回あたりの勤務時間は8時間程度となり、2交代制より短時間での交代が可能です。
勤務時間の例
- 日勤:7:00〜16:00
- 準夜勤:15:00〜24:00
- 深夜勤:23:00〜翌8:00
※施設によって勤務時間は異なります。
日本医療労働組合連合会の調査では、3交代制を導入している施設は全体の約10%程度にとどまっています。
3交代制は1回の勤務時間が短いため身体的負担は軽減されますが、準夜勤と深夜勤を合わせると月の夜勤回数は増える傾向にあります。
夜勤の回数
月あたりの夜勤回数は施設やスタッフの人数によって異なります。
日本医療労働組合連合会の調査によると、2交代制の場合は月4〜5回程度が多いとされています。
ただし、人手不足の施設では月6回以上の夜勤を求められるケースもあるため、求人応募時に確認することをおすすめします。
※参照:日本医療労働組合連合会 2024年介護施設夜勤実態調査
夜勤のメリット
介護の夜勤には、収入面や働き方においていくつかのメリットがあります。
1.深夜割増賃金が法律で保障されている
労働基準法第37条第4項により、22時から翌5時までの深夜時間帯に労働した場合、通常賃金の25%以上の割増賃金が支払われることが義務付けられています(参照:厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について)。
たとえば、時給1,200円の場合、22時〜翌5時の7時間については時給1,500円以上(1,200円×1.25以上)で計算されます。
この深夜割増賃金は法律で定められた最低基準であり、すべての事業所に適用されます。
2.夜勤手当で収入アップが期待できる
深夜割増賃金に加えて、多くの施設では独自の「夜勤手当」を支給しています。
夜勤手当の金額は施設によって異なりますが、1回あたり5,000円〜8,000円程度が相場です。
施設形態別では、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では7,000円〜10,000円程度、グループホームでは5,000円〜6,000円程度に設定されている傾向があります。
医療ケアの必要性が高い施設ほど、夜勤の負担が大きくなるため手当が高めに設定される傾向があります。
夜勤手当の支給自体は法律で義務付けられているわけではありません。
そのため、転職や就職の際は求人情報で夜勤手当の有無と金額を確認することが重要です。
3.収入例(2交代制・月4回夜勤の場合)
夜勤を含む働き方でどの程度の収入が見込めるか、具体的に試算してみましょう。
計算条件
- 月給制・常勤
- 月4回の夜勤(2交代制・16時間勤務)
- 夜勤手当:1回6,000円
夜勤による上乗せ収入(月額)
- 夜勤手当:6,000円×4回=24,000円
- 深夜割増賃金(7時間×4回):別途加算
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所における介護職員(月給・常勤)の平均給与額は33万8,200円です(参照:厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果)。
この平均給与には基本給、各種手当、一時金(賞与の月割り)が含まれています。
夜勤手当はこの給与額の一部を構成しており、夜勤を担当することで収入増につながります。
4.まとまった休みを確保しやすい
2交代制の場合、1回の夜勤で日勤2日分とカウントされることが多いです。
夜勤明けはそのまま休みになり、さらに翌日も休みというシフトが組まれるケースがあります。
このように、夜勤をこなすことでまとまった連休を得やすく、プライベートの時間を有効活用できるというメリットがあります。
夜勤の注意点
夜勤にはメリットがある一方で、心身への負担や働き方に関して注意すべき点もあります。
1.生活リズムへの影響
夜間に働き日中に睡眠を取る生活は、体内時計に影響を与えます。
日勤と夜勤を繰り返すシフトでは、生活リズムが不規則になりやすく、睡眠の質が低下することがあります。
夜勤に入る前にしっかり仮眠を取ることや、夜勤明けは早めに就寝するなど、自分なりの体調管理方法を見つけることが大切です。
2.少人数体制での対応
夜間は日中に比べてスタッフの人数が少なくなります。
日本医療労働組合連合会の調査によると、2交代制の施設の約6割が1人体制で夜勤を行っているという結果も出ています。
施設形態別の夜勤人員配置基準は「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」で定められていますが、グループホームや小規模多機能型居宅介護施設では1人以上(1ユニットあたり)という基準になっています。
少人数体制では、急な体調変化や緊急事態への対応を迅速に行う判断力が求められます。
もちろん、日勤であっても介護職としての責任は同様に求められますが、夜間は相談できる職員が少ない分、一人で判断しなければならない場面が増えることを理解しておきましょう。
入職前に夜勤時の人員体制を確認し、サポート体制についても把握しておくことが大切です。
3.未経験者へのサポート体制
「未経験でいきなり夜勤を任されるのでは」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、多くの施設では未経験者がいきなり一人で夜勤に入ることはほぼありません。
一般的には、入職後にまず日勤で業務の流れや入所者の状態を把握し、先輩職員と一緒に夜勤を何度か経験してから、独り立ちする流れになります。
また、施設によっては入職時に働く時間帯や夜勤の頻度について相談できるケースもあります。
夜勤に不安がある場合は、面接時に「夜勤に入るまでの研修期間はどのくらいか」「先輩職員との同行期間はあるか」などを確認しておくと安心です。
4.仮眠室・休憩環境の確認
長時間の夜勤では、休憩時間に仮眠を取れる環境が重要です。
日本医療労働組合連合会の調査では、約34%の施設で仮眠室が設置されていないという結果が出ています。
仮眠室の有無や休憩時間の確保状況は、施設見学や面接時に確認しておくことをおすすめします。
5.夜勤専従という選択肢
夜勤のみを担当する「夜勤専従」という働き方もあります。
日勤と夜勤を繰り返すシフトよりも生活リズムを一定に保ちやすいというメリットがある一方、月10回程度の夜勤をこなす必要があるなど、体力的な負担は大きくなります。
夜型の生活が得意な方や、高収入を目指したい方には選択肢のひとつとなりますが、自分の体力や生活スタイルと照らし合わせて検討することが大切です。
介護の夜勤に向いている人の特徴
夜勤に向いている人には、いくつかの共通点があります。
体調管理ができる人
不規則な生活でも自分なりのリズムを作り、睡眠や食事を管理できる人は夜勤に適応しやすいです。
冷静に判断できる人
夜間は少人数体制になるため、緊急時にも落ち着いて対応できる冷静さが求められます。
収入アップを目指したい人
夜勤手当や深夜割増賃金によって収入増が期待できるため、給与アップを目指す方にはメリットがあります。
まとまった休みが欲しい人
2交代制では夜勤明けに連休を取りやすいため、プライベートの時間を大切にしたい方に向いています。
夜勤を始める前に確認すべきこと
介護施設への就職・転職を検討している方は、以下の点を事前に確認しましょう。
- 夜勤の勤務体制(2交代制か3交代制か)
- 1回の夜勤の勤務時間と休憩時間
- 月あたりの夜勤回数
- 夜勤手当の金額
- 夜勤時の人員体制
- 仮眠室の有無
- 緊急時の連絡体制(看護師との連携など)
- 未経験者への研修・サポート体制
これらの情報は求人票だけでは分からないこともあるため、施設見学や面接の際に積極的に質問することをおすすめします。
夜勤を含む働き方で介護職のキャリアを築こう
介護の夜勤は、深夜割増賃金や夜勤手当によって収入アップが期待できる働き方です。
2交代制では1回の勤務時間は長くなりますが、まとまった休みを確保しやすいというメリットもあります。
一方で、生活リズムへの影響や少人数体制での対応など、注意すべき点もあります。
自分の体力や生活スタイルに合った働き方かどうか、事前にしっかり検討することが大切です。
未経験の方でも、多くの施設では先輩職員と一緒に夜勤を経験してから独り立ちする体制が整っています。
夜勤に不安がある場合は、面接時にサポート体制について確認しておくと安心です。
介護職は、利用者様の生活を支えるやりがいのある仕事です。
夜勤を含めた働き方を理解し、自分に合った施設で経験を積むことで、着実にキャリアを築いていくことができます。
介護職としてのキャリアを始めるなら
介護職として夜勤を含む働き方を検討している方は、まずは介護の基礎知識と技術を身につけることから始めましょう。
クリエ福祉アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修を通じて、介護現場で求められるスキルを習得できます。
夜勤中の利用者対応や緊急時の判断など、実践的な内容も学べるため、未経験から介護職を目指す方にも安心です。
また、クリエ福祉アカデミーでは就職支援サービスも提供しています。
「夜勤のある施設で働きたい」「夜勤なしの働き方を探したい」など、希望の働き方に合った求人を紹介することが可能です。
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