コロナ禍で活躍する介護職員の収入が約3%アップへ
「介護業界は給与が安い」
「仕事の大変さに比べて待遇が良くない」
そういった声をよく耳にします。
国や介護業界では、待遇改善につながるさまざまな対策をつづけてきました。
2021年12月に厚生労働省が発表した「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」もそのひとつです。
「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」の最大の特徴は、今後も賃上げ効果に取り組む介護事業所に対して、介護職員の収入を1人あたり3%程度引き上げるというものです。
国の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づいて実施されます。
介護業界をはじめ障害福祉の現場で働く人たちの待遇改善が期待できる動きです。
交付金額について
「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」は、介護事業所ごとに毎月算定された上で支給されます。
すでに2022年2月から、標準的な職員配置の事業所のケースで介護職員1人あたり月額9,000円程度のアップにつながる交付が始まりました。
ただし、ここで言う月額9,000円程度は一律ではなく、あくまで目安の金額です。
正確な交付額は下記のように決まります。
ある月の総報酬×交付率=交付額
ある月の総報酬・・・({基本報酬+加算減算}×1単位の単価 )
交付率・・・サービス区分によって交付率が異なる
※参考:厚生労働省「【概要】福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」
https://www.mhlw.go.jp/content/000915757.pdf
交付対象となる職種は主に「福祉・介護職員」「その他職員(※事業所の判断による)」です。
各介護事業所により実際の引き上げ額も異なるため、不明な点は各自治体か事業所に直接問い合わせてみましょう。
今後の動き
2022年2月から始まった「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」は、10月以降も臨時の報酬改定が行われ、同様の措置が継続して実施される見込みです。
介護事業所が今回の交付金を受ける条件は下記の通りです。
・福祉・介護職員処遇改善加算Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのいずれかを取得していること
・原則として令和4年2月分から賃金改善を実施すること
・交付金の全額を賃金改善に充てること
・賃金改善の合計額の3分の2以上を「基本給」または「決まって毎月支払われる手当」の引き上げ等に充てること
申請が受理されている事業所は今後も継続して交付金が受け取れる可能性があります。
また、今回2月に賃上げ開始報告ができなかった事業所も、10月からの厚生労働省による動きに注目したいところです。
慢性的な人材不足を解消するために、介護業界の待遇改善は避けては通れません。
今回の「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」のような賃金引き上げ政策は今後も加速していくことが予想され、未来は明るいと言えるでしょう。
介護職員が安心して働けるきっかけが増えていくことを願います。